...因業な話で共倒れになるのじゃないか...
石原莞爾 「最終戦争論」
...なんと云う因業な事だろう』忠五郎の生命を助けるためにできるだけの事はなされた――しかし駄目であった...
小泉八雲 田部隆次訳 「忠五郎のはなし」
...一つは仙右衞門の家は廣い割合に少勢であるのと一つはすぐ前のうちへ置いたならば朝夕おすがの姿を見るうちには兄貴もさう六ケ敷ことばかりもいはれなくなるだらうしお袋が愚固だから誰も因業もいつては居られまいといふ見込をつけたのである...
長塚節 「芋掘り」
...とうとう金貸を遣るようになったのかい」健三は平生(へいぜい)から島田の因業を嗤(わら)っていた比田だの姉だのを憶(おも)い浮べた...
夏目漱石 「道草」
...主人は因業(いんごう)で斃れ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...世間で因業婆アといふのは...
新美南吉 「百姓の足、坊さんの足」
...慾が深くて因業(いんごう)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...木戸一つない因業(いんごう)なものでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...子煩悩(こぼんのう)と因業(いんごう)で有名な男で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...番頭の庄七は因業(いんごう)なことに商売のことしか掛引を知らねエ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...内々は高利の金まで廻しているという名代の因業(いんごう)屋だろう」「その加島屋へ宵泥棒が入ったんで」「フーム」「手代の与之松は使いに出た留守...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...珍らしい因業(いんごふ)だ」「それで自分だけ三度の膳に贅を盡して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...因業(いんごふ)で女癖が惡くて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...因業親爺の見本のような老人である...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...井上外記の因業面(いんごうづら)を眼の隅からながめては...
久生十蘭 「ひどい煙」
...因業な奴だとおもっておりましたけれど...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...旅行者の立場を見込んだこの因業な職人は決してこの要求を諾かぬのである...
牧野信一 「読書と生活」
...そこで日頃はケチで因業な曹(そう)旦那も...
吉川英治 「新・水滸伝」
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