...あゝして生きてゐるのが却つて因業だと...
有島武郎 「お末の死」
...忽ち車主(エツツリノ)の一聲の因業(マレデツトオ)を叫びて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...その因業爺(いんごうじじい)のチャンフーという主人がね」「三十万?」頭目はちょっとことばをとめたあとで「三十万円にちがいないか」「ちがいなし...
海野十三 「少年探偵長」
...あゝ因業(ゐんがう)な親分等(おやぶんら)は...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...あの因業な昔の主人に...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...あんな因業な人ったらありゃしないよ...
夏目漱石 「道草」
...とうとう金貸を遣るようになったのかい」健三は平生(へいぜい)から島田の因業を嗤(わら)っていた比田だの姉だのを憶(おも)い浮べた...
夏目漱石 「道草」
...――因業なようでも父親に違いないし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――因業(いんごふ)なやうでも父親に違ひないし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...因業佐野喜は決して結構な主人でなかつたことはよく解ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寺方と御家人(ごけにん)を相手に因業(いんごう)な金貸を始め...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し意地つ張りで因業ではあるが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...相變らず因業(いんごふ)な稼業を續けながら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...因業親爺の見本のような老人である...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...因業な割には安い鰌屋だって...
正岡容 「小説 圓朝」
...第一その因業そうなガン首が肩の上にチャンとしてくっついているのからして気に喰わん! 貴様何でも結城藩水野家の勘定方へも大分用立てているそうではないか? 返事をしろ!男二 は...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...棺屋のお内儀さんの鬼のやうな因業さと...
室生犀星 「愛の詩集」
...そう因業なことも言うまい...
矢田津世子 「凍雲」
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