...さる四辻で、一人の巡査が恰(あたか)も立坊の如く立つて居た...
石川啄木 「雪中行」
...立派な縣廳、陰氣な師範學校、石割櫻で名高い裁判所の前を過ぎて、四辻へ出る...
石川啄木 「葬列」
...黄金(こがね)の金具を打った轎(かご)が町(まち)の四辻(よつつじ)を南の方へ曲って往った...
田中貢太郎 「悪僧」
...村の四辻の榎の下で茶を売っていた老婆が云った...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...―――あの辺の町や港を歩くことだね」とある四辻を鍵(かぎ)の手に曲っている佗(わ)びた荒壁の塀の屋根の...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...夕飯(茄子、さゝげ豆、胡瓜膾、沢庵漬)朝食(味噌汁、沢庵漬)木賃 三十銭・まうへに陽がある道ながし・おもひでは暑い河原の石をふみ七月三十一日沿道を行乞しながら一時舟橋通過、四時大道到着、もう歩きつゞける元気もなくなつて汽車に乗る、四辻も束の間、すぐ小郡だ、やれ/\戻つてきました...
種田山頭火 「行乞記」
...溝河にかかった小橋の袂の四辻で...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...其処の四辻は寂然としていた...
豊島与志雄 「群集」
...市内の四辻などに設けてあるロータリー区劃の中には...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...長吉(ちやうきち)はいつも巡査(じゆんさ)が立番(たちばん)してゐる左手の石橋(いしばし)から淡島(あはしま)さまの方(はう)までがずつと見透(みとほ)される四辻(よつゝじ)まで歩いて来て...
永井荷風 「すみだ川」
...それとは心づかない君江は広小路(ひろこうじ)の四辻まで歩いて早稲田(わせだ)行の電車に乗り...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...尾張町の四辻にカッフェーライオンの開店したのも当時のことであったが...
永井荷風 「申訳」
...軈(やが)て薄暗い四辻に出た時です...
西尾正 「陳情書」
...三馬路の四辻にはられたそれはトルコ巻き煙草の奇麗なポスター...
三岸好太郎 「上海の絵本」
...少しも哭(な)かずに四辻に置くと鬱遮鳥が片付けて洲外に持ち去る...
南方熊楠 「十二支考」
...四辻(よつつじ)はひとしきり工場から吐き出される職工等の足埃(あしぼこり)で狭霧(さぎり)に襲はれたやうにけむつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...一匹の猪と一匹の犬がある都の寒い寒い風の吹く四辻でヒョッコリと出会いました...
夢野久作 「犬のいたずら」
...『河海抄』(四辻善成著足利初期)によると...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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