...カワラマツバの小さな四弁花は弁と弁との間から出た雄蕊がみんな下へ垂れ下がって花心から逃げ出しそうにしている...
寺田寅彦 「高原」
...四弁信が、その輪講の席を辞したのは、講義半ばの時分であったか、その終りに近づいた頃であったか、但しはのっけに輪講の初端(しょっぱな)、品右衛門爺さんや久助さんが、好意的退席を勧告された時分に、一緒に身を引いたものか、そのことは誰も気のついたものはありませんでしたけれど、弁信が自分の部屋としてあてがわれた三階の源氏香の一間に来て、夜具の傍らにホッと息をついたのは、この夜も闌(たけな)わなるある時刻の後でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...決して私共の心願のある竹生島へ着くことはできませんでございます」百三十四弁信が...
中里介山 「大菩薩峠」
...羽化して空に舞ひさうなあの四弁の紅白紫...
三好達治 「ケシの花」
...特に鋏は先(さき)が四弁の花形をしたものがあって...
柳宗悦 「手仕事の日本」
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