...ひとついきなり囓(かじ)りついてどのくらい俺が苦しめられているか思い知らしてやろうかしらん」渡瀬は真剣にそうおもうことがよくあった...
有島武郎 「星座」
...この上もてあましものが俺のまはりに囓りつくには及ばないことだ...
有島武郎 「骨」
...私と同じ位の日本語を聞き囓っていたからである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...天井から糸でつるした林檎を囓りっこする遊びを思い出す...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...それを囓る...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...音もさらさらと天の眞名井(まない)の水で滌(そそ)いで囓(か)みに囓(か)んで吹き棄てる息の霧の中からあらわれた神の名はタギリヒメの命またの名はオキツシマ姫の命でした...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...どこかそこらの天井の中で何をか囓(かじ)つてゐるのが気になる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...虫はせつせと葉を囓つてゐるのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...農民は土に囓(かじ)りついてさえいれば食いっぱぐれはない...
徳田秋声 「縮図」
...その脛(すね)を囓(かじ)られていても感じないし「東京へ早く行って...
直木三十五 「死までを語る」
...せんだってなどは主人の寝室にまで闖入(ちんにゅう)して高からぬ主人の鼻の頭を囓(か)んで凱歌(がいか)を奏して引き上げたくらいの鼠にしてはあまり臆病すぎる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...いきなり私に囓(かじ)り付いて氣でも違つたやうに泣くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自分はこの問題に囓(か)じりついていた...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...台察児(タイチャル)(剣を掴んで)皮肉かそれは! 城中の物資いかに欠乏し、たとい石を噛み、土を囓ろうとも、わが札荅蘭(ジャダラン)族の士気は衰えぬぞ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...(はつかねずみ)が囓(か)んでしまったので見当らなんだ...
南方熊楠 「十二支考」
...最も甚しいのは親の脛(すね)を囓(かじ)っている学生や部屋住の身分で畳付の駒下駄を足の先へ突(つっ)かけて歩くような不所存者もあります...
村井弦斎 「食道楽」
...垂れ下った葦の実に囓りつき...
山本周五郎 「青べか日記」
...田舎でがらにもない皇学を囓(かじ)ったり...
吉川英治 「松のや露八」
便利!手書き漢字入力検索