...嚢中の錐の如き彼は...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...嚢中(のうちゅう)のかくもすみやかに空しからずば...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「幸福のうわおいぐつ」
...一つは嚢中(のうちゅう)の乏しいせいもあってだが...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...嚢中たゞ電車賃と國府臺までの舟賃とを餘すのみ...
大町桂月 「川魚料理」
...忽ち嚢中の鼠となる也...
大町桂月 「國府臺」
...嚢中(のうちゅう)の金額を調べて外務大臣に報告した...
太宰治 「惜別」
...嚢中わづかに二十六銭しかない)出かけようとしてゐるところへ...
種田山頭火 「其中日記」
...庵中嚢中無一物、寒いこと寒いこと(床中で痛切に自分の無能無力を感じた、私には生活能力がない、そして生活意慾をもなくしつゝある私である)...
種田山頭火 「其中日記」
...印鑑と印鑑証明書と戸籍抄本とが嚢中(のうちゅう)に入れてある...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...もはや嚢中スッカラカン...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...綺麗さっぱりと嚢中を費いはたして一文無しになった時に...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...この馬また蹄で地を敲きて嚢中の銭や骰子目(さいのめ)を数え中(あ)て...
南方熊楠 「十二支考」
...雄の腹下や尾裏に子を懐く事海馬に同じ(長尾驢(カンガルー)など濠州産の諸獣も腹の嚢中に子を育つるが...
南方熊楠 「十二支考」
...「暫くして嚢中の尽きたじぶんになつて...
三好達治 「オルゴール」
...蘭軒の「遙寿長崎遜斎真野翁六十」の詩に、「嚢中碧伝三世、局裏金丹恵衆民」の頷聯があつて、其下に「老人為施薬所主司」と註してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...嚢中払尽半文無...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...嚢中(のうちゅう)の『マルク』七つ八つありしを...
森鴎外 「うたかたの記」
...という孔明が嚢中(のうちゅう)の言にしたがって...
吉川英治 「三国志」
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