...嚢中の錐の如き彼は...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...忽ち嚢中の鼠となる也...
大町桂月 「國府臺」
...江山に對すれば、天地は人間にあらざれども、嚢中を思へば、心細し...
大町桂月 「南洲留魂祠」
...唯嚢中が氣がゝかりなれど...
大町桂月 「妙義山の五日」
...嚢中空しく厨房からつぽとなる...
種田山頭火 「一草庵日記」
...嚢中に四銭しかない...
種田山頭火 「行乞記」
...嚢中自無銭、五厘銅貨があるばかり...
種田山頭火 「行乞記」
...一金九銭 ハガキ六枚 一金四銭 胡瓜苗四本(嚢中完全に無一文なり)六月二日くもり...
種田山頭火 「行乞記」
...庵中嚢中無一物、寒いこと寒いこと(床中で痛切に自分の無能無力を感じた、私には生活能力がない、そして生活意慾をもなくしつゝある私である)...
種田山頭火 「其中日記」
...折から庵中嚢中無一物なので...
種田山頭火 「其中日記」
...蕪村は「諸流を尽くしこれを一嚢中(いちのうちゅう)にたくわえ自らよくその物をえらび用にしたがっていだす」と言っているそうである...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...印鑑と印鑑証明書と戸籍抄本とが嚢中(のうちゅう)に入れてある...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...其走つて嚢中を檢せんとするに及びて哀痛悲慟禁ずること能はず...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...わたくしは此帰省詩嚢中の詩に...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...帰省詩嚢中の霞亭の詩を得て稍解決に近づいた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...嚢中払尽半文無...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...とても自分の貧しい嚢中(のうちゅう)では購(あがな)えなくなるからであった...
吉川英治 「三国志」
...楊儀と姜維(きょうい)は嚢中(のうちゅう)の遺計が教える所に従って...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索