...「これか? これは嚊(かかあ)に引っ掻(か)かれたのさ...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...あすこの嚊(かかあ)は子種をよそから貰(もら)ってでもいるんだろうと農場の若い者などが寄ると戯談(じょうだん)を言い合った...
有島武郎 「カインの末裔」
...間もなく木賃宿の嚊が外に出て來たから...
石川啄木 「葉書」
...この髯面の嚊を……髯面がサッと朱を帶びた...
石川啄木 「病院の窓」
...』二平公と嚊とはある谷間で十日ほど過した...
田山花袋 「歸國」
...』かう言つた若い嚊の髪の毛も矢張り雨滴で濡れて光つてゐた...
田山花袋 「歸國」
...』顏を竈に押附けるやうにして若い嚊は吹いた...
田山花袋 「歸國」
...嚊(かゝあ)代(がは)りに連れて来たんだといふ話で...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...東京の郊外に置いて来た嚊(かゝ)の夢でも見るだけですよ」「何うだかわからんね? でなくつては...
田山録弥 「時子」
...変だのう」此れは右の事があって十四五日してから万作が嚊(かか)に話した言葉だ...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...それでまあ嚊が増長したんですね...
長塚節 「おふさ」
...卯平(うへい)はあんでもあれが嚊等(かゝあら)育(そだ)つ時分(じぶん)の事(こと)なんぞ思(おも)つちや疎末(そまつ)にや成(な)んねえんでがすかんね...
長塚節 「土」
...「おめえそれでも今の嚊持つ時にやどうしたつけ」「又そんなこと...
長塚節 「隣室の客」
...嚊(かかあ)を受け出したら好かろう」「また...
夏目漱石 「坑夫」
...なにかを嚊ぎつけたひとの...
久生十蘭 「あなたも私も」
...レッドトップならば匂いぐらいは嚊(か)ぎまするが...
久生十蘭 「キャラコさん」
...そこで嚊(いびき)なんかかいちゃ駄目だよ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...嚊大明神きっと焼くよ...
正岡子規 「煩悶」
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