...」「だって御新造(ごしんぞ)がいるじゃありませんか?」「嚊(かかあ)かい? 嚊とも近々別れる筈だよ...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...あすこの嚊(かかあ)は子種をよそから貰(もら)ってでもいるんだろうと農場の若い者などが寄ると戯談(じょうだん)を言い合った...
有島武郎 「カインの末裔」
...それを其、小宮の嚊が、病氣してゝ稼がないので、ウンと虐待したつて噂があつたんですから、行つて見ましたがねす...
石川啄木 「病院の窓」
...嚊(かかあ)らに責任はもたせぬ...
犬田卯 「米」
...若い嚊(かかあ)があったはずだ...
田山花袋 「一兵卒」
...』かう言つた若い嚊の髪の毛も矢張り雨滴で濡れて光つてゐた...
田山花袋 「歸國」
...』若い嚊はぐづ/″\してゐたが...
田山花袋 「歸國」
...』若い嚊は、かう言ひながらバケツをテントの入口に下した...
田山花袋 「歸國」
...向うまで行かうかや?』『これから?』若い嚊は眼をつて...
田山花袋 「歸國」
...東京の郊外に置いて来た嚊(かゝ)の夢でも見るだけですよ」「何うだかわからんね? でなくつては...
田山録弥 「時子」
...そこに近所の百姓の嚊がむしろなどを持ち出して...
田山花袋 「道綱の母」
...それに嚊(かか)はいませんし...
徳田秋声 「新世帯」
...然れども長屋の嚊(かか)が金棒(かなぼう)引くは聞くに堪(た)へず識者が茶話(さわ)にはおのづと聞いて身の戒(いましめ)となるもの多し...
永井荷風 「小説作法」
...嚊(かかア)は娘と一緒に田舎へあずけてある始末だ...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...卯平(うへい)はあんでもあれが嚊等(かゝあら)育(そだ)つ時分(じぶん)の事(こと)なんぞ思(おも)つちや疎末(そまつ)にや成(な)んねえんでがすかんね...
長塚節 「土」
...嚊(かゝあ)が單衣物(ひてえもの)も質(しち)に入(せ)えてたの出(だ)して遣(や)つたんでがすがね...
長塚節 「土」
...「俺(お)らもこんで嚊(かゝあ)に死(し)なれた當座(たうざ)にや此(こ)れも役(やく)に立(た)たねえから泣(な)きぬいたよ」勘次(かんじ)は俄(にはか)にしんみりとしていつた...
長塚節 「土」
...嚊座(かかざ)と相対する他の一側が客座である...
柳田国男 「雪国の春」
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