...例の人を威嚇するような音声で「この帳簿に記載してある通り基本財産は一文も缺けずこの中に入っている...
犬田卯 「瘤」
...われわれを嚇すことを目当てにやったものに...
海野十三 「地球要塞」
...己れを護(まも)り人を威嚇する筈の武具が...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...クロニデースはかく嚇す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...威嚇するような太い線の刻まれた額...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「空家の冒険」
...あの空想と妄想とが威嚇するかと思うと...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...警察の力を借りて退去を命ぜんと威嚇するものありしが...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...解散を以て議院を威嚇するを唯一の政略と為し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...煩さい野良犬を嚇すための鞭を手に握つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...故に死をもって債務者を威嚇するには...
穂積陳重 「法窓夜話」
...その読本に依つて勉学する児童の心を威嚇するものである...
牧野信一 「悪筆」
...人間(ひと)を威嚇する音楽のやうに享けとれた...
牧野信一 「心象風景」
...「どうぞ、お通しを!」と、叫びざま、サッと、袖の下を潜り抜けると、もう一人が、また前にまわって来て、「女だてらに――あぶない――刃物なぞ手にして?」「ですから、おあぶのうござりますぞえ!」雪之丞、煩(わずら)わしくなって、嚇すように、懐剣を、わざと、チラと、閃(ひら)めかして見せたとき、「や! おのれは!」と、鋭く、しかしびっくりしたような声が、立ちふさぐ侍の口から洩れた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...獅々舞いが子供を嚇すように胸を拳でたたきたたき笑いこけている小婢(こおんな)の方へじりじりよって行った...
宮本百合子 「高台寺」
...雲が威嚇するように頭の上にひろがってきた...
矢田津世子 「凍雲」
...茶坊主に頭を叩かれたのだ」と伯翁は威嚇するように...
山本周五郎 「さぶ」
...威嚇するように重々しく口を啓(ひら)いた...
夢野久作 「暗黒公使」
...破壞を威嚇する騷音があつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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