...と云つてそれを噛むでもなく...
芥川龍之介 「南京の基督」
...やがて舌金(したがね)を噛む音が聞えて...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...相手は下唇を噛むように結んだまま首を振り...
上田広 「指導物語」
...そこらの壁に這ひ上つてゐる蔦の若葉を噛む毛虫達のかすかな歯音すらもが...
薄田泣菫 「独楽園」
...蝋(ろう)を噛むように不味(まず)かったことであろうか...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...むしろガルボの嗾けによって奥様を噛むということこそ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そうして扁平な頭をぶるぶると擡げるのみで追うて人を噛むことはない...
長塚節 「太十と其犬」
...チュウインガムを噛むより味気ない世の中...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ジ……と歯を噛むようなミシンの音がする...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...爪をじりじり噛む姿は...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...子供達は肉桂の根を噛むことの刺戟に...
牧野信一 「肉桂樹」
...……(黙って大豆を噛む)それを...
三好十郎 「その人を知らず」
...この脣を噛むので...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...あれを噛むと、昔の深窓の支那美人と接吻したような、一種えならぬ香気がする...
吉川英治 「押入れ随筆」
...生涯の悔いを心のそこに噛むことであろ...
吉川英治 「私本太平記」
...口に噛む間の私語(ささやき)がだいぶ聞える...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう内匠頭の髻(もとどり)は自分の胸を噛むように俯ッ伏して...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...猫を噛むの窮鼠(きゅうそ)となって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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