...皆おの/\顋下(さいか)に弔(つ)りたる一束の芻(まぐさ)を噛めり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...またゆっくりと噛みはじめ...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...笑ひを噛み殺してゐるやうな顏つきで狸のはうに向き直り...
太宰治 「お伽草紙」
...親戚の家の飼犬(かいいぬ)に噛まれて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...このやつらに嗾(け)しかけて噛み散らかさしてやりたい...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから又(また)根切蟲(ねきりむし)が残酷(ざんこく)に堅(かた)い莖(くき)を根(ね)もとからぷきりと噛(か)み倒(たふ)して植(うゑ)た數(かず)の減(へ)るにも拘(かゝは)らず...
長塚節 「土」
...余は夏蜜柑の皮を剥いて、一房毎に裂いては噛み、裂いては噛んで、あてどもなくさまようて居ると、いつの間にやら幅一間位の小路に出た...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...西洋の新らしい説などを生噛(なまかじ)りにして法螺(ほら)を吹くのは論外として...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...寒さが背中へ噛(かじ)り付いたような心持がしました...
夏目漱石 「こころ」
...犬の歯は肉よりも骨を噛(か)むに適している...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...泣かじと噛んだ唇はワナワナと顫へるのに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いきなりあっしの首っ玉に噛り付きそうな空合でしたよ」「馬鹿な」「それは嘘だが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...久我の指をきつく噛むと...
久生十蘭 「金狼」
...本来なら、腹いせに、事務所のまん前で、舌噛んで、死んでくれるところじゃが、お前が後(あと)をやってくれるちゅうんなら、我慢する...
火野葦平 「花と龍」
...胴びろの鋸が木口から噛(か)みついて行って...
本庄陸男 「石狩川」
...指先をがにっと噛んでやる...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...それさえよければ、なんの、わしが添う嫁じゃねえだし、どんな、辛抱もするべえにと、ゆうべも遅くまで、叔父御と、おぬしの話で、泣いてしもうたが……百よ、いったい、おぬしゃあ、どう考えているだね」「おっ母、これだ……」百は、手を拝(あわ)せて、「おらのやった、悪いこたあ、きっと仕事でとり返すから」「そんなにまで」「面目ねえが、おら、どうしても」百は、爪を噛んだ...
吉川英治 「野槌の百」
...奥歯で糊(のり)のように噛んだ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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