...カツキと噛(か)んだ小指の一節(ひとふし)...
泉鏡花 「印度更紗」
...婆さんの耳許(みみもと)に噛(か)んでふくめるように説明しなければならなかった...
海野十三 「東京要塞」
...唯一ついゝ歯を持たないと食物(たべもの)を噛む事が出来ない...
薄田泣菫 「茶話」
...私の小指の腹を骨までかりりと噛(か)み裂いた...
太宰治 「葉」
...雪解けの午後は淋し砂利を噛む荷車の轍の音(ね)遠くきこえ疲れ心地にふくみたるパイプの煙をのゝく室ぬちは冬の日うすれ描きさしのセント・セバスチアンは低くためいきす...
富永太郎 「画家の午後」
...それと知った時に歯噛(はが)みをしたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...「己れッ」平次は煙に巻かれながら歯噛みをしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何か用事ですかえ」八五郎はそれでも犬にも噛み付かれず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...在英中土宜法竜僧正から『曼荼羅私鈔』を受け読み噛(かじ)ると...
南方熊楠 「十二支考」
...私は私の脣(くちびる)を噛んだ...
室生犀星 「幼年時代」
...その細い茎を噛んだ...
山本周五郎 「青べか物語」
...猿轡(さるぐつわ)を噛ました上で...
夢野久作 「衝突心理」
...犬にでも噛まれたのか...
吉川英治 「三国志」
...譜代(ふだい)のご恩もわすれた嘆かわしき武門の廃(すた)れ、はや見ているにしのびません」「では、出陣を望むのか」「わが四ツ目結(ゆい)の旗を先に立て、そのような忘恩の大名どもへ、後日、悔いを噛むなと、言ってやりたいのでございまする」「しおらしい」高時は、賞(ほ)めそやしたが...
吉川英治 「私本太平記」
...臍(ほぞ)を噛んでもおよばぬのではあるまいか...
吉川英治 「私本太平記」
...食物すらいつも味を知らずに噛むせいか...
吉川英治 「親鸞」
...お小夜はまだ、知らないと見える』平四郎は崖を仰いで、ふと唇を噛んだ...
吉川英治 「夏虫行燈」
...夜叉(やしゃ)のように噛(か)み締まった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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