...可愛い嘴(くちばし)を時々開き...
池谷信三郎 「橋」
...死の空にさまよひ叫ぶ怨恨(ゑんこん)の毒嘴(どくはし)の鳥...
石川啄木 「詩」
...かたり草、言の花は、蝶、鳥の翼、嘴には限らない、其の種子は、地を飛び、空をめぐつて、いつ其の實を結ばうも知れないのである、――此なども、道芝、仇花の露にも過ぎない、實を結ぶまではなくても、幽な葉を裝ひ儚い色を彩つて居る、たゞし其にさへ少からぬ時を經た...
泉鏡花 「遺稿」
...その嘴(くちばし)や鮹(たこ)に似たり...
泉鏡花 「歌行燈」
...青い嘴(くちばし)ばかりを出して...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...嘴で虫の食つた木を啄(つつ)いて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...線路工夫の振上げているあの逞しい撥形鶴嘴(ビーター)を...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...そしてそれを掘り上げた(あの穴の中に折れていたのは彼の鶴嘴の柄であった)...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...一昨日になって乳嘴(にゅうし)突起炎を起したから手術しなければいけないと云われ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私のことにも一つ一つ嘴(くちばし)を入れ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...夕がたになれば寐間のまへのこんもりした珊瑚樹のしげみに大勢の雀がねぐらをもとめにきて首をふつて嘴をといだり...
中勘助 「銀の匙」
...柄の短かい鶴嘴(つるはし)などが入って居ります...
野村胡堂 「古城の真昼」
...ラルギュスはバルバリー砂嘴の外側へ接岸しながら北行して行ったが...
久生十蘭 「海難記」
...嘴(くちば)しを容(い)れたいにも...
二葉亭四迷 「浮雲」
...爾時(そのとき)二十四樹変じて、二十四億の鶏鳥、金の嘴、七宝の羽翼なるを生ずという...
南方熊楠 「十二支考」
...鶴嘴を握り馴れたはばひろい掌に...
百田宗治 「露西亜よ汝は飛ぶ」
...尖(とが)った嘴(くちばし)や爪を揮って...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ガラスを嘴(くちばし)でたたいているのである...
山川方夫 「博士の目」
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