...如何に僕等は迷信の為にみづから苦めてゐるかと嘲笑した...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...なんぼだと自嘲の笑を浮べながら値を張らせて居ました...
太宰治 「老ハイデルベルヒ」
...――こんなによい月をひとりで観て寝る 放哉私にも自嘲の句二三ある...
種田山頭火 「一草庵日記」
...自嘲めいて時々さう口にするのであつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...今日のみのるは例の癖のやうに自分どもの貧しさを一種の冷嘲で打消して了ふ譯にはいかなかつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...我また罵辱嘲弄の言句を陳ぶることを得ん...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...わたしはこれを陋習(ろうしゅう)となして嘲(あざけ)った事もあったが...
永井荷風 「十日の菊」
...町のムスメを憎しみ嘲けるに先だつて...
永井壮吉 「冬日の窓」
...そしてほのかな嘲笑(てうせう)が浮んで來ます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...目鼻(めはな)だちはきり/\と利口(りこう)らしけれどいかにも脊(せい)の矮(ひく)ければ人(ひと)嘲(あざけ)りて仇名(あだな)はつけゝる...
樋口一葉 「わかれ道」
...闇の梅に限らず普通の梅の香も古今集だけにて十餘りもありそれより今日迄の代々の歌よみがよみし梅の香はおびたゞしく數へられもせぬ程なるにこれも善い加減に打ちとめて香水香料に御用ひ被成(なされ)候は格別其外歌には一切之を入れぬ事とし鼻つまりの歌人と嘲らるゝ程に御遠ざけ被成ては如何や...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
...というような自嘲に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...嘲(あざ)けりを露骨に出す...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...横田いよいよ嘲笑(あざわら)いて...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...はははは」貞盛の自嘲していう顔には...
吉川英治 「平の将門」
...蔑(さげす)みの眼と――嘲罵(ちょうば)の唾(つば)とが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もうあの一種の嘲風をふくんだサビ声の冗談も...
吉川英治 「落日の荘厳に似る」
...又自分自身を嘲笑(ちょうしょう)する言葉もあったろうが――歩き廻っているうち...
蘭郁二郎 「自殺」
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