...予は一介の嘱託(しよくたく)教授に過ぎなかつたから...
芥川龍之介 「入社の辞」
...主税が自分嘱(たの)まれのさる学校の授業を済まして帰って来ると...
泉鏡花 「婦系図」
...それから先きは友達の嘱(たの)みに応じていつも小説のような文章を書き...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...間階桃花(かんかいとうか)取次に開く昨日踏青(とうせい)小約未だ応(まさ)に乖(もと)らざるべし嘱付(しょくふ)す東隣の女伴少(すこし)く待ちて相催すなかれ鳳頭鞋子(ほうとうあいし)を着け得て即(すなわ)ち当(まさ)に来るべし朗吟が終った...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿英」
...仕事の上の関係(宣伝写真の委嘱)は完全に絶縁すること...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は研究所の嘱託でも研究員でもなければ...
戸坂潤 「学界の純粋支持者として」
...この寄宿舎と給費生との事件に関する世話係というを久松家から嘱托せられて...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...九歳の少年ピアニストは早くも富裕な貴族達の嘱目(しょくもく)を集め...
野村胡堂 「楽聖物語」
...この形式の小説を「高い芸術」にまで引上げることを嘱望(しょくぼう)して引込みたいと思っている...
野村胡堂 「捕物小説のむずかしさ」
...なにひとつ嘱目に価するようなものはなかったはずだからである...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...ずっと会社の嘱託医を専門にして来た関係上...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...同君に嘱して菌類の着色図を描いてもらいその書中を飾ったものだ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...かれはいかがせよと被仰下たく候」と委嘱してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...文部省の嘱託をしていたころであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...府庁の依嘱により...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...呂蒙はなおさら深く観てその将来に嘱目(しょくもく)していた...
吉川英治 「三国志」
...亡き五郎大夫の依嘱(いしょく)にすまない気がするのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを織田信長に委嘱した人は誰も知るが如く幽斎細川藤孝だった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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