...急に嘘つきになるマダムがいた...
太宰治 「女人訓戒」
...有態に嘘つきの罪名を被せられる浮目を見なければならなかった迄だろう...
戸坂潤 「社会時評」
...嘘つき――舌...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...こんな嘘つきのところにいると何をされるかしれないので...
林芙美子 「狐物語」
...男の人は嘘つきが多いな...
林芙美子 「新版 放浪記」
...男の人は嘘つきが多いな...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...*32嘘つき万歳の世の中だ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...――玉井金五郎、って、このごろ売りだしかけてるけど、あれは、ほんとうは、嘘つきの、卑怯者の、男らしくない三ン下奴だ...
火野葦平 「花と龍」
...」「あなたの眼に私は嘘つきに見えますか?」と彼は熱した語氣(ごき)で訊(たづ)ねた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...お前は嘘つきだ」「そう言うなら嘘つきになってやる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「嘘つきね、あなた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...……大体自分は、積極的な自己紹介を求められる場合に、何とか答へる己れの言葉に真実性や力を感じた験しはないんだが、そして何か話してゐる間は、何だか嘘ばかり口走つてゐるやうな寂莫を覚ゆるのが常なのだが、せめて、嘘だ! と自ら云ふ心の反面に、何らかの皮肉が潜んでゐたり、意外な自信がかくれてゐたり、案外真正直な性質が眼をむいてゐたり、でもすれば多少は救はれるんだが、自分のは、その種の人々の外形を模倣したゞけで、心の反省があり振つたり、嘘つきがつたり、細心振つたりするだけのことで、大切な反面の凡てが無である、都の花やかさに憧れて遥々と出かけて来た気の利かない田舎の青年が、本性を忘れて一ツ端の歳人気取りになつてツベコベする類ひのものである、その種の変な青年達が稍ともすれば、自ら得々として「自己嫌悪に陥つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...――泥棒だつて、嘘つきだつて、あの仕業さへ見つけ出されなければ、誰も悲しみを感ずる者はないのであるから、そして私自身だつて、そんな戦きは、その場限りで消えてしまふことなのであるから――結局、これは善行為と云ふべきであらう……ストア哲学を生活上の(芸術上ではなしに……)模範として遵奉してゐる私は、行為を健全と善に帰せしめなければ冒涜を覚ゆるのであつた...
牧野信一 「変装綺譚」
...滝! そして俺は君達に嘘つき者だと思はれてしまふのも敵はないんだ...
牧野信一 「籔のほとり」
...それで嘘つきでないといふのか? お前は王様がこの間から...
宮原晃一郎 「孝行鶉の話」
...例えば、ここに、発端的な時期として示されている期間の私の状態にしろ、当時はそういうことは許されていないのだから、と云われたことを、それなり本気にして、貴方から教えられて、マア何だろう、ひどい嘘つき、と思った...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...頑太郎は嘘つきだな」「とおっしゃいますと?」「何か落物をしたはずだ」寛太郎はぎょっとした...
山本周五郎 「松林蝙也」
...みんな底なしにいろ好みで、嘘つきで、欲が深い...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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