...近隣の農夫の一人は嘗て此宝を見た...
ウィリアム・バトラー・イエーツ William Butler Yeats 芥川龍之介訳 「「ケルトの薄明」より」
...我々の心は未だ嘗て罪悪の意識を逃れたことはない...
芥川龍之介 「僻見」
...余嘗て原図を閲するに...
京山人百樹、京水百鶴 「北越雪譜」
...未だ嘗て古い憲法を再吟味し近代的事態に適合させる試みが爲されたことがない...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...ラングが嘗て論ぜし如く...
高木敏雄 「比較神話学」
...私は嘗て沙翁の芝居見物のために...
戸川秋骨 「道學先生の旅」
...私は嘗て把握的概念――それは性格的概念を指す――をこの構成的概念から区別した*...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...嘗ての生蕃工作の名残りとして...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...余は嘗て主に東北塞外種族の言語即ち大體ウラルアルタイ語系に屬する言語から考へて...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...嘗て旅客を濡らさぬ...
長塚節 「旅行に就いて」
...忽ちに嘗て旅した何処かの...
中原中也 「夏」
...嘗ては西國筋の大名に仕へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嘗てたしかにあつたとおもへるもの...
原民喜 「鎮魂歌」
...それは、羨む気持も手つだっていたと同時に、嘗ては、自分もそういう一本気であった、娘時代をふりかえる哀愁の思いでもあった...
火野葦平 「花と龍」
...嘗て以前に、異(ことな)つた風に、異つた人によつて惱まされたと殆んど同じ位に、私は今彼に捉はれかけてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...今迄嘗て感じた事のない静かな喜びが...
牧野信一 「首相の思出」
...嘗て早稲田大学に入つて野球選手になる決心で上京したのだが...
牧野信一 「貧しき日録」
...或はエドゥアルト・マイヤーは嘗てそれを「一民族の生活の中へ侵入する要素としての個人の進出」のうちに見た...
三木清 「歴史哲學」
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