......
饗庭篁村 「木曾道中記」
...今はその嗜欲(しよく)だけしか五郎にはなかった...
梅崎春生 「幻化」
...「何故殺すんだ」「殺して呉れと言うんです」変に頑固な嗜欲(しよく)が今の彼をとらえて居るらしかった...
梅崎春生 「日の果て」
...その趣味、その感情、その嗜欲、その思想の相異なる、自他相見て茫然(ぼうぜん)たることあらん...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...流俗の嗜欲(しよく)を遠ざけているかのように思われる...
夏目漱石 「三四郎」
...是等の願望(ぐわんもう)嗜欲(きよく)を遂行するのを自己の目的として存在してゐた...
夏目漱石 「それから」
...二個の相容れざる願望(ぐわんもう)嗜欲(きよく)が胸に闘ふ場合も同じ事であつた...
夏目漱石 「それから」
...これ等の願望嗜欲を遂行するのを自己の目的として存在していた...
夏目漱石 「それから」
...二個の相容(い)れざる願望嗜欲が胸に闘う場合も同じ事であった...
夏目漱石 「それから」
...もっとも当人がすでに人間であって相応に物質的嗜欲(しよく)のあるのは無論だから多少世間と折合って歩調を改める事がないでもないが...
夏目漱石 「道楽と職業」
...五けれども彼の異常に対する嗜欲(しよく)はなかなかこれくらいの事で冷却しそうには見えなかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...その暇に自分の嗜欲(しよく)を満足する計をめぐらしても差支(さしつかえ)ない時代になっている...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...といったような最も鋭敏な嗜欲(しよく)にみちた気分...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...この作者は、このやうな小篇にも、天稟的な純情を忘れずに持つてゐるところが強味で、其国無師長、自然而已、其民無嗜欲、自然而已――の風格は、たしかなのですが、どうかした拍子に、感情がもつれるとでもいふのか、わたしには好くわからぬのですが、社会的といふやうな悪鬼にとり憑かれたりすると、得体の知れぬ虎河豚になつて純情を忘れ、ハメを脱します...
牧野信一 「浪曼的月評」
...(あ)くことを知らない嗜欲の脣の前に...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一時(じ)の嗜欲(しよく)を満(みた)せば足(た)ると云つた風に食事の時間迄が何となく忙(せは)しげだ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索