...なるべく私の変態的な嗜好などには触れないで...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...時々ダンスを嗜(たしな)まれる様だが...
大阪圭吉 「花束の虫」
...絶えず客の嗜好性を導くように心得て仕入なくてはならぬ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...あれでなか/\風雅の道をお嗜(たしな)みなされ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...しかしこの些末(さまつ)な嗜好品の流行の事実もそう軽々には見遁(みのが)すことの出来ないものではあろうと思われる...
寺田寅彦 「チューインガム」
...嗜虐的な快感を昧おうとするのではない...
外村繁 「澪標」
...任意に自分の嗜慾(しよく)を満足するという彼女の条件は直(ただ)ちに成立した...
夏目漱石 「明暗」
...騒ぎの中にも良い嗜(たしな)みです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嗜(たしな)みよくお化粧をして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後(おく)れ毛(げ)一(ひ)と筋(すぢ)えりに亂(み)ださぬ嗜(たしな)みのよさ...
樋口一葉 「曉月夜」
...武士の嗜(たしな)みとしてあるまじきことで...
久生十蘭 「鈴木主水」
...鹿を山へ放つと他の木はそうではないが鹿は特に嗜(この)んでツバキの木の皮を食うのである...
牧野富太郎 「植物記」
...和算もまた国民嗜好の産物であったといい得られよう...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...いつしかその嗜は病の如くに...
三好達治 「測量船拾遺」
...榛軒は鰻の蒲焼を嗜んだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...寧(むし)ろ下層社会の嗜好(しこう)に属するものが大部分である...
夢野久作 「暗黒公使」
...宮子は? 彼女の周囲では外人たちが競(きそ)って宮子の嗜好を研究し...
横光利一 「上海」
...かかる態の人物の生き方やら嗜好をさしていうものか...
吉川英治 「私本太平記」
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