...まるで磨ぎすました焼刃(やきば)の(にお)いを嗅ぐような...
芥川龍之介 「邪宗門」
...豊和はそれを嗅ぐたんびに...
薄田泣菫 「茶話」
...例へば雨の夜(よ)美しい女の髪の匂を嗅ぐとか...
薄田泣菫 「茶話」
...それを嗅ぐと酒の匂いがするので...
田中貢太郎 「黄英」
...この匂いを嗅ぐと...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...香の匂を嗅ぐと同時に...
直木三十五 「南国太平記」
...變な臭ひを嗅ぐと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次のためには大事な見る眼嗅ぐ鼻で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...念のために鼻へ持つて行つて嗅ぐと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...君は何か望みがあるのかい?」「彼はもうこんな風にパンの匂いを嗅ぐこともないんだ」下宿人の一人が爺さんのしかめっ面を真似て見せながら言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...彼はそれらしい香りを嗅ぐ...
堀辰雄 「眠れる人」
...「いつ何どき、見る目、嗅ぐ鼻、ごずめずの、しつッこい縄目が、この五体にまきつくかわからないからだなのですよ――明日のあさっての、まして、十日先きの、二十日先きの、そんなことを楽しみにしてはいられないのです――」じれったそうに、お初は唇を噛みしめて、ぐっと、からだを擦りつけるようにするのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...『朝野僉載(ちょうやせんさい)』には大酔して崖辺で睡(ねむ)った人の上へ虎が来て嗅ぐと虎鬚がその人の鼻孔に入りハックションと遣(や)った声に驚きその虎が崖から落ちて人に得られたとある...
南方熊楠 「十二支考」
...カガシという語の起りにはいろいろの説もあるらしいがまず大よそはカグ(嗅ぐ)という語の他動形を...
柳田国男 「年中行事覚書」
...嗅ぐ事であった...
夢野久作 「髪切虫」
...彼の寢てゐる匂ひを嗅ぐやうに羽根を揃へてじつとしてゐた...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...わたしは花をじつと嗅ぐ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...彼の影は、それを嗅ぐと、動物的に、跳びついて、香(にお)うものの焦点へ、ごしごし顔をこすりつけた...
吉川英治 「平の将門」
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