...水月の鼻は竊に油の香を嗅ぐ...
高濱虚子 「俳諧師」
...鰯、鰯、鰯、見るも鰯、嗅ぐも鰯、食べるも、もちろん、鰯である...
種田山頭火 「行乞記」
...その身の理解することの出来なかつた父親の死の秘密を嗅ぐやうに...
田山録弥 「父親」
...わずかにその匂だけを嗅ぐ事の出来るものである...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...香の匂を嗅ぐと同時に...
直木三十五 「南国太平記」
...頭を四方にめぐらして、あらゆるものを、見る、嗅ぐ、聴く……...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...平次にとっては申し分のない見る目嗅ぐ鼻だったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地面を嗅ぐやうにして居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か、生といふ強いものを、ほのかななかにはつきりと知り、嗅ぐのだつた...
長谷川時雨 「きもの」
...侍從だからつて鼻で匂ひは嗅ぐだらうが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...栗鼠の奴のにほひまで嗅ぐことが出來たわけだ...
堀辰雄 「手紙」
...しかしもつともつと乾燥した匂ひを嗅ぐや否や...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...それを嗅ぐと、大勢の人は吾れ勝ちに嚔(くしゃみ)を初めて息もされない位で、しまいにはみんな苦しまぎれに眼をまわすものさえ出て来ました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...カガシという語の起りにはいろいろの説もあるらしいがまず大よそはカグ(嗅ぐ)という語の他動形を...
柳田国男 「年中行事覚書」
...「おらあ蒲焼の匂いを嗅(か)ぐとがまんができなくなるんだ」通りがかりにその匂いを嗅ぐと...
山本周五郎 「さぶ」
...嗅ぐ事であった...
夢野久作 「髪切虫」
...見る眼、嗅ぐ鼻、閻魔の帳面...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私は彼らを愛した自分から腐敗の臭気を嗅ぐように思った...
和辻哲郎 「転向」
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