...始業の鐘が嗄(かす)れたやうな音(ね)を立てて一しきり騒がしく鳴り響いた...
石川啄木 「道」
...その声は嗄(しゃが)れていてぎごちなくて...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...思ひもつかぬ嗄(しはが)れて太くなつた声で応酬して驚かすのである...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...眼の色変えた仲買店の小僧や番頭たちが声を嗄(か)らして駈けずり廻っていたが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...声が嗄れて話すことがむつかしくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...少ししや嗄(が)れたやうな声も大人のやうに太かつた...
徳田秋声 「チビの魂」
...クリストフは実にうまく犬の嗄(しわが)れた吠声を真似たので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...奈落の底から聴えて来るのかと怪しまれる重症者の嗄声と...
北條民雄 「盂蘭盆」
...」と嗄れた声で呼ばれる...
北條民雄 「続癩院記録」
...それとも少し嗄れた聲で話しつづけてゐたその女のだんだん低くなり出してゆくやうな言葉を聞き洩らすまいとしてゐたためであらうか? ……それがちよつと分らないほどその女の話に空(うつ)けたやうになつて聞いてゐた自分を一方では不意に鋭く意識しはじめながら...
堀辰雄 「生者と死者」
...こんどは何か私に突っかかるような嗄(しゃ)がれ声(ごえ)だった...
堀辰雄 「菜穂子」
...子供の泣き叫ぶ聲がだんだん嗄れて來て...
水野仙子 「輝ける朝」
...「郵船名物のS・O・S・BOYだろう」と船長が嗄(しゃが)れた声でプッスリと云った...
夢野久作 「難船小僧」
...声を嗄(か)らしながら馳けて行った...
吉川英治 「三国志」
...えいや声を嗄(か)らした...
吉川英治 「私本太平記」
...烈風に喊声(かんせい)を嗄(か)らした...
吉川英治 「新書太閤記」
...叱咤(しった)にしゃ嗄(が)れた声をしぼって...
吉川英治 「新書太閤記」
...ことばの上に嗄(かす)れていたし...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索