...僕は實際色々な人と思ひがけない處で鉢合せをして喫驚する事があるよ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...かかることは捨ておかれぬ喫緊事として考えられねばならぬだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...渠は其日一日喫(の)まぬ積りだつたと見えて...
石川啄木 「足跡」
...さもおいしそうに煙草(たばこ)を喫(の)みつつ...
泉鏡花 「瓜の涙」
...夕方に配達された夕刊には「カッフェで大往生」と題して「細田弓之助(33)が喫茶店『黒猫』で頓死したが...
海野十三 「三角形の恐怖」
...その三十九カ条をいちいち列記することは差し控えるが、その条項中には、例えば一、大統領に対し忠誠なること、一、不撓不屈なること、一、酒類を欲せざること、一、喫煙せざること、一、四時間の睡眠にて健康を保ち得ること、一、髭を見たらば大統領たることを諒知すること、といったふうに大統領ミルキはなかなかやかましい条件を出してあるのであった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...煙草を喫しながら...
大町桂月 「沖の小島」
...日東紅茶喫茶部二階...
高浜虚子 「六百句」
...勘作は冷笑を浮べながら煙草を喫(の)んでいたが...
田中貢太郎 「ある神主の話」
...それまで子供だちの事は忘れたようにして虎杖を喫っていた老人が...
田中貢太郎 「虎杖採り」
...旅僧に喫わした蕎麦のことを思いだして厭な気がした...
田中貢太郎 「鮭の祟」
...ぽかぽか莨を喫い出した...
徳田秋声 「足迹」
...スパスパと莨を喫(す)った...
徳田秋声 「新世帯」
...お前は」ド・リシュモンは対決で惨敗を喫した...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...停留場前の明るい喫茶店へはいっていった...
久生十蘭 「金狼」
...喫煙室で会えるだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...煙草を喫しながら時折眼をそゝいでゐた花だ...
牧野信一 「小田原の夏」
...そうして小鳥どもが喫(く)いに来るのを少し離れたところから見張っていて...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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