...綾子夫人も青酸瓦斯を吸いこんで命を其の場に喪った筈なのです...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...弾力を喪(うしな)った舌がダラリと伸びていた...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...往々にして勇気を沮喪(そそう)させたがるものである...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...反つて其初心を喪ひ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...半ば気を喪(うしな)った玉置子爵の傍に寄って...
野村胡堂 「古城の真昼」
...さすがに度を喪(うしな)ふほどではなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お姉さま……喪服の虫干しをするつもりだったのに...
久生十蘭 「喪服」
...そして妻は夫のためには斬衰三年の喪に服するのであるからして...
穂積陳重 「法窓夜話」
...黒い喪章をちょっと添えただけの事のためらしかった...
堀辰雄 「幼年時代」
...彼女はたえず良人の喪に服していて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...尋ねると此死人は十歳計りの男兒で行列の先頭に僧が唄ひ後に老年の喪主が悲しみ往くが...
南方熊楠 「人柱の話」
...殿上の人も皆真黒(まっくろ)な喪服姿になって寂しい春であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夫を喪(うしな)って剃髪(ていはつ)した...
森鴎外 「渋江抽斎」
...父をば早く喪(うしな)ひつれど...
森鴎外 「舞姫」
...例えば式内(しきない)の古社がほとんとその名を喪失したように...
柳田国男 「山の人生」
...それだけ東京人の堕落に対する批判の公平を喪っているものと見ねばならぬ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...城下の民も城士もみな喪服を着け...
吉川英治 「三国志」
...まるで戦意を喪失してしまった...
吉川英治 「三国志」
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