...あの四君子(しくんし)に喩(たと)へられてゐるやうな清楚(せいそ)なものではなく...
犬養健 「朧夜」
...二四 譬喩...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...ウォールデンの水の精がこんな比喩をゆるしてくれるなら――小唄のひと節をうたおうとしているわけだ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...しかし譬喩にならずに...
田山録弥 「心の絵」
...我々の祖先の智慧は直喩にある...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...しかもリーフは 164 以下の比喩をホメーロス詩中の獅子談中最も完全なるものと讚す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...原物が何物の介在をも許さずに直接に鏡面上に像を結ぶことで之を喩えたわけである...
戸坂潤 「辞典」
...鏡の譬喩は、模写=認識の目標の標識に外ならなかったのだ...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...斯くて、作家が真剣に実践する文学は、生活の慰安ではなくて生活の推進力となり、比喩的に云えば、生活から咲き出した花ではなくて生活を育てる養液となり、更に云えば、あったこと若しくはあることの表現ではなく、あるべきこと若しくはあり得ることの表現となった――少くともそういう観念となってきた...
豊島与志雄 「文学への実感について」
...しのつく雨という通俗の換喩を一言のうちにこめたものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...もし比喩なら、円(まる)と云っても四角と云っても、つまり同じ事になるのでしょう」「そうかも知れませんが、形や色が始終(しじゅう)変っているうちに、少しも変らないものが、どうしてもあるのです」「その変るものと変らないものが、別々だとすると、要するに心が二つある訳になりますが、それで好いのですか...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...噂(うわさ)をすれば陰の喩(たとえ)に洩(も)れず迷亭先生例のごとく勝手口から飄然(ひょうぜん)と春風(しゅんぷう)に乗じて舞い込んで来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...之を喩(たと)えば熟眠...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...けだし譬喩に用ゐられしがためなり...
正岡子規 「俳句の初歩」
...それは説教、譬喩、評論、法則、幻覚、予言、そして日々命令式の告達であった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...それは単なる比喩(ひゆ)ではない...
三木清 「人生論ノート」
...似合わぬ事の喩えの諺とカムデンは言った...
南方熊楠 「十二支考」
...「お前の比喩は気がきかないね」「そらガスコーニュ訛(なま)りが丸出しだよ」「その表現はちとあぶなっかしいぞ」(わたしはフランスの町なかで用いられている言葉を少しも避けない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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