...葉子はただ心の中で失望したように「あれだからいやになっちまう」とくさくさしながら喞(かこ)った...
有島武郎 「或る女」
...その内にある四角い喞子(ピストン)を桿と柄とによって動かす...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...』と喞(こぼ)してゐた...
石川啄木 「鳥影」
...昨日(きのう)の栄華に引替えて娘は明暮不幸を喞(かこ)ち...
泉鏡花 「活人形」
...蒸気喞筒(ポンプ)はどうした」「油に水をかけたって...
海野十三 「雷」
...犬がまた喞えようとすると...
高神覚昇 「般若心経講義」
...虫聲路傍に喞々(しよく/\)たるの頃なりき...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...この山中に珍らしい喞筒(ポンプ)の練習を見物する為めに驚くばかり集つて居るので...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...喞筒はようやくここまで馬を動かしたが...
夏目漱石 「永日小品」
...曲馬場の中から喞筒(ポンプ)の水が迸り出た...
ゲオルヒ・ヒルシユフエルド Georg Hirschfeld 森林太郎訳 「防火栓」
...沁々と自分が「自己派」に属することを喞つた...
牧野信一 「貧しき日録」
...王はしばしばこれを喞(かこ)っていた...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...かかる不平はアメリカの財産家がしばしば喞つところであると私は聞いている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...引きずるやうに鷄を喞へて行く猫を追ひかけたけれど...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...ひとしきりは毎日二分銀がこの笊に溢れるほどに盛(さか)ったものを」「ははははは奢る平氏久しからず」玄蕃は二人の喞(かこ)ち言(ごと)を聞いて側で笑っていた...
吉川英治 「剣難女難」
...今さらな不覚を喞(かこ)ちあっていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...嫁にも来ないからなあ」と喞(かこ)った...
吉川英治 「親鸞」
...聞えよがしに喞(かこ)った...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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