...僧月照(げつせう)嘗て近衞公の密命(みつめい)を喞(ふく)みて水戸に至る...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...喞筒(ポンプ)で注(そそ)ぎかけたような血の跡が……...
海野十三 「疑問の金塊」
...喞筒(ポンプ)みたいなものにも組立てられるのだ...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...衣兜(かくし)に入れた煙草の袋から一本抜いて口に喞(くわ)え...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...この山中に珍らしい喞筒(ポンプ)の練習を見物する為めに驚くばかり集つて居るので...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...喞筒(ポンプ)は? 気が利(き)かねえ奴等でねえか」と土蔵から下りて来た人の会話らしい声がすぐ自分の脚下(あしもと)に聞える...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...夏は水道の水の生温(なまぬる)きを喞(かこ)つ下町の女たち二...
永井荷風 「夏の町」
...馳け上がった蒸汽喞筒が眼の前にじっとしていた...
夏目漱石 「永日小品」
...飴(あめ)を煮て四斗樽(だる)大の喞筒(ポンプ)の口から大空に注ぐとも形容される...
夏目漱石 「幻影の盾」
...各々口にバットを喞えて...
葉山嘉樹 「坑夫の子」
...僕はまだ火のつかない煙草を口に喞へたまま...
堀辰雄 「風景」
...同時に己れの浅猿(あさま)しさを喞ちました...
牧野信一 「晩春の健康」
...沁々と自分が「自己派」に属することを喞つた...
牧野信一 「貧しき日録」
...そして著者達は勤労と農業の不断の衰退を喞っているのである2)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...食物の不足を喞つ正当な理由はないとか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...牛乳は一旦煮沸したる者を喞筒(ぽんぷ)にて三階に送り...
村井弦斎 「食道楽」
...この長雨と黴(かび)に飽々(あきあき)した一般の喞(かこ)ち言(ごと)であったが...
吉川英治 「新書太閤記」
...真の国礎は万代にすわらぬものとみゆる――と時の民ぐさは喞(かこ)った...
吉川英治 「日本名婦伝」
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