...容喙された以上は私の所言に対して関心を持たれたに相違ない...
有島武郎 「広津氏に答う」
...』と、健は喙を容れた...
石川啄木 「足跡」
...十年もこの學校にゐる土地者(ところもの)の秋野が喙を容れた...
石川啄木 「足跡」
...そそくさと樹肌(こはだ)を喙(つつ)いてゐたが...
薄田泣菫 「茸の香」
...殊に公平を第一義とする史学に喙(くちばし)を容(い)るるものに在りては...
津田左右吉 「仏教史家に一言す」
...その日の弁当(持ち運び映(ば)えのしない)を鴉でも喙(ついば)むだけの骨折甲斐のない包みにして積み重ねた石ころの上に置いて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...實際に於て文部省不信任の意義を表明したるもの也何となれば學制の方針を定むるは文部大臣の職責にして他の容喙を要す可きものに非ず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...將軍家などの奧向から表の政治に喙を入れる事でありますが...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...親爺が短氣を出すから少しも喙を容れずに我慢して居る...
長塚節 「芋掘り」
...足下に轉がつて居る毛虫には目も呉れないで他の喙へたのを奪ひ取らうとする...
長塚節 「栗毛虫」
...わしは他人(ひと)の内輪のことに喙(くちばし)を容(い)れるのが嫌いでして――それはあんた御自身の問題ですからなあ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...八月の狂言についても容喙して来てゐる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その肉を食わんと喙(くちばし)を突っ込んで緊(きび)しく締められ...
南方熊楠 「十二支考」
...殆ど支那の文献に喙(くちばし)を容るゝ資格だに闕けてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...毫(ごう)も容喙(ようかい)せずにいた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...余計なところには一切喙(くちばし)を容(い)れさせないのだから詰まらない事夥(おびただ)しい...
夢野久作 「無系統虎列剌」
...容喙(ようかい)はゆるさんといいおる...
吉川英治 「黒田如水」
...彼が喙(くち)を容(い)れる資格はないなんていうことを...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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