...容喙された以上は私の所言に対して関心を持たれたに相違ない...
有島武郎 「広津氏に答う」
...十年もこの學校にゐる土地者(ところもの)の秋野が喙を容れた...
石川啄木 「足跡」
...』『菊池兼治(かねはる)と謂ふ奴ぢやないか?』と主筆が喙(くち)を容れた...
石川啄木 「菊池君」
...ですから本員の除名は許していただきたいと思います」「イヤ宣告に容喙(ようかい)することは許さぬ...
海野十三 「流線間諜」
...上院議員たちに財政問題に容喙させる機会を与えることの危険を説いて...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...各国王(マハラージャ)の内政に容喙(ようかい)して...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...それが我々として見ていられますか!」「儂のすることに何の権利があって君は容喙(ようかい)すると...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...それが尖(と)んがった牙のような喙(くち)と長い爪を見せて...
田中貢太郎 「嬌娜」
...そこで主客合一という黒き白は直接性の追求に容喙する権利を持ち合わせていなかったことが顕らかになったであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...で結局博士の学説に仮に何かの誤りがあったとしても(之は検事という専門家を信じる他ないので民衆の容喙すべき事柄ではない)...
戸坂潤 「社会時評」
...それにも拘らず他人の制作の過程や結果に容喙(ようかい)すると期待され得る以上...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...突然に人の話の中へ喙(くちばし)をいれて...
中里介山 「大菩薩峠」
...唯頑固な私の父は妻子と同棲することを許容する條件として父が養父との交際を絶對に拒絶することに就いて決して容喙してはならぬといふことでありました...
長塚節 「教師」
...足下に轉がつて居る毛虫には目も呉れないで他の喙へたのを奪ひ取らうとする...
長塚節 「栗毛虫」
...人民などはこれについて何らの喙(くちばし)を容(い)るる理由がないものだなどと狂ってくる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...わしは他人(ひと)の内輪のことに喙(くちばし)を容(い)れるのが嫌いでして――それはあんた御自身の問題ですからなあ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...且(かつ)その学問上に研究する事柄もその方法も本人の思うがまゝに一任して傍(かたわら)より喙(くちばし)を容(い)れず...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...御喙容(ごかいよう)には及ばぬ」と...
吉川英治 「上杉謙信」
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