...』とお八重も喙(くち)を容れた...
石川啄木 「天鵞絨」
...地面の上に敷かれた美しい錦の若葉を無残にも喙(ついば)み尽した...
魯迅 井上紅梅訳 「鴨の喜劇」
...市廳の大時計のまはりに羽搏(はばたき)する鸛(こふ)の鳥は頸を中天にさし延ばして雨の水玉を喙に受けてる...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「ハルレム」
...そそくさと樹肌(こはだ)を喙(つつ)いてゐたが...
薄田泣菫 「茸の香」
...あかの他人のかれこれ容喙(ようかい)すべき事がらでない...
太宰治 「もの思う葦」
...各国王(マハラージャ)の内政に容喙(ようかい)して...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...今のところ物理学はなんら容喙(ようかい)の権利をもたない...
寺田寅彦 「備忘録」
...認識理論に一口たりとも容喙する権利がない...
戸坂潤 「科学論」
...で結局博士の学説に仮に何かの誤りがあったとしても(之は検事という専門家を信じる他ないので民衆の容喙すべき事柄ではない)...
戸坂潤 「社会時評」
...各種の社会問題・争議・其の他に容喙するようになった...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...専門家である吾々が何だって素人の容喙を俟とうか...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...喙長魚(だつ)みたいな顏をした氣味のわるい男であった...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...喙(くちばし)を出す方が出来て――」「そういうことは...
直木三十五 「南国太平記」
...八月の狂言についても容喙して来てゐる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...三本ほどはなれた樫で喙木鳥(きつつき)がその柔らかい樹の皮に嘴(くちばし)をつき刺して...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...そこの治療方鍼(はうしん)に容喙(ようかい)するのは不都合であらうし...
森鴎外 「妄想」
...他人の批判の容喙をゆるさない...
吉川英治 「折々の記」
...容喙(ようかい)はゆるさんといいおる...
吉川英治 「黒田如水」
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