...若しこの沈默が善良な意志から出てゐることを信じ得なかつたら自分は嘸氣詰りな人に見えることであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...奇々怪々な作品を書く人はみんな善良な男らしい...
江戸川乱歩 「探偵小説このごろ」
...そして善良な方面へ導いておやりになるようにと...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...善良なこの人達の家庭をよく知つてゐた...
徳田秋聲 「和解」
...その中の善良な者のみではなく...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...善良な眼付と口付……骨格は頑丈だが...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...何か平静な善良なものを浮かべていた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...そして彼らが人生に求むるところのものはただ、生きること、ただパンだけを得ること、自分の思想を芸術の中に吐露すること、芸術家ならぬ単純真実なる二、三の善良な人々、もちろん彼らを理解はしないがしかし彼らを率直に愛する人々、それを見出すことばかりであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして彼の手には何が残されたか? 善良なシュルツは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし善良なるこの村の紳士淑女と...
中里介山 「大菩薩峠」
...善良なる国民に馴致(じゅんち)されると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...この婦人は立派であると同様に本当に善良な人だったのだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...いちいち愛想よく別れの挨拶をする底知れない善良なようすを見ると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...善良な(レスペクタブル)たましいが...
牧逸馬 「双面獣」
...彼は善良なる神が清く正しい者にその非凡な助力をおしまれるはずはない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...善良などという沙汰ではないね...
山本周五郎 「つばくろ」
...一緒にゐるときはあまり彼女の性格の善良な部分を感じなかつたが...
横光利一 「悲しみの代價」
...善良な村の人たちは...
吉川英治 「神州天馬侠」
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