...傍(かたはら)には瀬戸火鉢(せとひばち)の鉄瓶が虫の啼くやうに沸(たぎ)つてゐる...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
...怺へ切れ無い聲で鐵網の中をいそがしく不安相に歩き廻つて天に訴へる樣に啼く...
千家元麿 「自分は見た」
...……・うらゝかにしてすがれた花にとまるてふちよも母子(オヤコ)で藷掘る暮れ早い百舌鳥の啼く・うらゝかなれば一羽鴉のきてなけば日あたり水仙もう芽ぶいたか・ことしもこゝに落葉しておなじ蓑虫白船君にあなたを待つてゐる火のよう燃える十一月廿四日けふもうらゝかな日...
種田山頭火 「其中日記」
...めづらしくせきれいが来て啼く...
種田山頭火 「其中日記」
...そこらで鶏がしきりに啼く...
種田山頭火 「松山日記」
...それにしてもあの離座敷は! 夜も水鶏(くひな)の啼く声の絶えないあの離座敷は! そこで始めて私はその本家の娘といふかの女を見たのではなかつたか...
田山録弥 「あさぢ沼」
...啼く鳥をのぞく木の間やおそさくら...
永井荷風 「断腸亭日乗」
......
野口雨情 「のきばすずめ」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...独り寝はちちと啼くなる小鼠に家鳴りどよもし夜あけぬるかな偶君の留守に一人寝をする夜など...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それだからほととぎすも啼くのだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...羊の啼くやうな声で...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...そうしてあの啼声を説明してホーホ五郎助どうした酒でも飲んだかと啼くのだと...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...」と鳥の啼くような声を出してから...
横光利一 「夜の靴」
...チチチチチ野に啼く声も稚(おさな)く聞えて耳に寒い...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ほうほうと啼くのであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...月ヶ瀬を通るたんびに美(い)い声して啼く鶯(うぐいす)がいるんで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...けきょ」と啼く例の声が耳に入った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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