...そして昔の人があの鳥の啼く音を故人の魂(たましい)になぞらえて...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...めづらしくせきれいが来て啼く...
種田山頭火 「其中日記」
...鶉(うずら)が啼く...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...時々嬉しくも悲しい不思議な声を出しては啼くが...
辻潤 「ふもれすく」
...平潟より洞門をくゞれば直ちに關田の濱なり日は見えてそぼふる雨に霧る濱の草に折り行く月見草の花雀等よ何を求むと鹽濱のしほ漉す朶の棚に啼くらむ松蔭の沙にさきつゞくみやこ草にほひさやけきほの明り雨松蔭は熊手の趾もこぼれ葉も皆うすじめりみやこ草さく十四日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...そこで作者は先づその蟋蟀を閨の床下で啼くものに特定し...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それだからほととぎすも啼くのだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...蜂蜜の青める玻璃の器より初秋来りきりぎりす啼く所謂近代感覚による象徴詩で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...庭の梅の樹に鶯が来て啼くやうな気持もした」云々...
正岡容 「寄席風流」
...きりぎりすわすれ音に啼く火燵かな 芭蕉などの句はやはりこおろぎのことをうたったものらしい...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...赤子の啼く声がするという話もありますが...
柳田國男 「日本の伝説」
...また千葉県から茨城県へかけてはゴロットホーコーと啼くと子供たちはいう...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...」と鳥の啼くような声を出してから...
横光利一 「夜の靴」
...遠い山脈(やまなみ)の襞(ひだ)に雪を見て高啼くのか...
吉川英治 「私本太平記」
...のどかに啼く――覚明は...
吉川英治 「親鸞」
...芸妓たちは、寒がって、「千鳥なんか、ちっとも、啼(な)かないじゃありませんか」斧四郎は、通人ぶって、「啼くの、啼かないのと云うようでは、風流は、わからぬ」「啼かぬ千鳥を聴くんですか、なんだか禅みたいですね」「ぶ風流な奴は困る」二艘の船を、繋綱(もやい)で抱きあわせて、「そちらのお武家様、お一杯(ひとつ)、頂戴いたしましょうか」「お蔭で、久しぶりに、腸心(ちょうしん)を洗って飲むような気がする」桂と、斧四郎とは、船から船へ、手をのばし合って、杯(さかずき)を献酬(けんしゅう)した...
吉川英治 「松のや露八」
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若山牧水 「小さな鶯」
...たとへば郭公の啼くのが...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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