...永久に小蛇(こへび)を啣(くわ)えている...
芥川龍之介 「早春」
...将軍家は箸を啣(くは)へた儘じつと考へ込んでゐたが...
薄田泣菫 「茶話」
...その湯気が運ぶ匂に依って口に啣(ふく)む前にぼんやり味わいを豫覚する...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...彼が魚を啣(ふく)んだと見ると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...」主婦は褄楊枝(つまようじ)を啣(くわ)えながら大声にたしなめた...
徳田秋声 「足迹」
...乳房を啣(ふく)ませながら...
徳田秋声 「あらくれ」
...薄紫地の絽(ろ)の長い服を着た商人らしい支那人が葉巻を啣(くわ)えながら小舟に乗って父をたずねに来た...
永井荷風 「十九の秋」
...口には桃色のハンケチを啣(くは)へて...
永井荷風 「すみだ川」
...これからお役所へ行くのだよ」昨晩ムクが啣(くわ)えて来た印籠(いんろう)を取り出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...一つの脛(すね)を啣(くわ)えて左右から引き合う...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...この間中はどうも忙し過ぎて降参したから」と誠吾は火の消えた葉巻を口に啣(くわ)えた...
夏目漱石 「それから」
...身動きも出来なくなったところを見すましてちょっと口へ啣(くわ)えて振って見る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...一・二分嘴(くちばし)で啣(くわ)えていたのち...
久生十蘭 「キャラコさん」
...麪包を啣えた犬を従えたものだ...
南方熊楠 「十二支考」
...そいつが出刃包丁(でばぼうちょう)を啣(くわ)えた女の生首(なまくび)の刺青(ほりもの)の上に...
夢野久作 「難船小僧」
...マキリを啣えた囚人姿の虎蔵が...
夢野久作 「白菊」
...煙管(きせる)を啣(くわ)えながら先刻(さいぜん)の蒸籠(せいろ)の繕(つくろ)い残りを綴(つづ)くっておりましたが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...餡パンを啣え口を空に向け...
横光利一 「旅愁」
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