...小室は其一碗の湯を啜る仕草の爲に...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...零露(れいろ)を啜るにふさひたりな...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...茶を啜るときの気持よさを感じるのと同じようなものだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...しづかに珈琲を啜る...
高田保 「貸家を探す話」
...盃の底にある一二滴のしたゝりを音をたてゝ啜る...
高濱虚子 「俳諧師」
...酒は啜るべく味ふべく...
種田山頭火 「一草庵日記」
...古木を焚いて(炭がないから)砂糖湯を啜る(米がないから)といふ事実はさみしくないこともない...
種田山頭火 「其中日記」
...風は煙突内で子どものように喚く啜る...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...お湯を啜るとき顔を見合って笑った...
戸田豊子 「歩む」
...褞袍に著換へて火鉢の前に坐つて少し冷めた茶を啜る...
長塚節 「開業醫」
...アパートに住んで味噌汁を啜る僕等の姿は...
萩原朔太郎 「宿命」
...俯向いて啜るのではあるまい...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その実は血を啜る残虐の行われている「子供の無邪気さ...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...丁度甘(うま)い物を味ひながらゆつくり啜るやうなキスであつた...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...盃(さかずき)の酒を大事そうに啜るのが見えた...
山本周五郎 「青べか物語」
...参吉は茶を一と口啜ると...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...たまに聞えるのは茶を啜る音か...
山本周五郎 「季節のない街」
...茶を一杯啜るだけでも...
山本周五郎 「橋の下」
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