...小室は其一碗の湯を啜る仕草の爲に...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...零露(れいろ)を啜るにふさひたりな...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...しづかに珈琲を啜る...
高田保 「貸家を探す話」
...古木を焚いて(炭がないから)砂糖湯を啜る(米がないから)といふ事実はさみしくないこともない...
種田山頭火 「其中日記」
...お湯を啜るとき顔を見合って笑った...
戸田豊子 「歩む」
...何れも、西洋人相手の晩餐会(デンナー)にスープの音さする気兼もないと見えて、閉切つた広い食堂内には、此の多人数がニチヤ/\噛む餅の音、汁を啜る音、さては、ごまめ、かづのこの響、焼海苔の舌打なぞ、恐しく鳴り渡るにつれて、『どうだ、君一杯(ひとつ)...
永井荷風 「一月一日」
...ウィリアムもフラーと叫んで血の如き酒を啜る...
夏目漱石 「幻影の盾」
...熱い茶を啜る事が...
林芙美子 「清貧の書」
...一人は何時も洟水を啜る教授の息子...
原民喜 「背後」
...お!』鼻を啜る音が障子のかげから聞えた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...その実は血を啜る残虐の行われている「子供の無邪気さ...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...丁度甘(うま)い物を味ひながらゆつくり啜るやうなキスであつた...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...燗をした水割り焼酎を啜るのであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...盃(さかずき)の酒を大事そうに啜るのが見えた...
山本周五郎 「青べか物語」
...燗をした水割り焼酎を啜るのであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...三杯ばかり薬でものむように啜ると...
山本周五郎 「新潮記」
...茶を一杯啜るだけでも...
山本周五郎 「橋の下」
...辛うじて一家が粥(かゆ)を啜る...
山本周五郎 「山彦乙女」
便利!手書き漢字入力検索