...小室は其一碗の湯を啜る仕草の爲に...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...両親(ふたおや)の断末魔の血を啜って...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...血を啜(すす)り肉を啖(くら)ってもあきたらぬ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...なぜ黙っているの」「………」とうとうまたとよ子の啜り泣きがはじまった...
「草藪」
...私と妻とのこうした歪(いびつ)な気持は召使たちにも逸早く感ぜられたものであろう! 私がスープを啜(すす)りフォークを使っている間中...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...食事の後廊下の長椅子に並んで腰をかけ珈琲(コーヒー)を啜(すす)りながら...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...子供等(こどもら)は一齊(せい)に洟(はな)を啜(すゝ)つてさうして衣物(きもの)で横(よこ)に拭(ぬぐ)つた...
長塚節 「土」
...熱(あつ)い紅茶を啜(すゝ)りながら焼麺麭(やきぱん)に牛酪(バタ)を付けてゐると...
夏目漱石 「それから」
...コーヒーを啜り十五ペニッヒの葉巻をふかしながら...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...また啜(すす)り上げました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...彼が黙つて茶を啜つてゐるのを見て周子が...
牧野信一 「熱海へ」
...叔母の啜り泣く声が時折障子を隔てた台所から洩れて来た...
牧野信一 「白明」
...幾杯もお代りをしては啜り込んでいた...
正岡容 「小説 圓朝」
...すなわちよその民族において血を啜(すす)って兄弟の誼(よしみ)を結ぶというなどと同じ系統の...
柳田国男 「木綿以前の事」
...登は食堂(じきどう)へいって茶を啜り...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...三杯ばかり薬でものむように啜ると...
山本周五郎 「新潮記」
...「なにか心配ごとでもあるのか」茶を啜(すす)ってから...
山本周五郎 「花も刀も」
...喰べたくもない心太(ところてん)を啜(すす)ったりしにゆく連中のなかに...
吉川英治 「宮本武蔵」
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