...はてしなき議論の後の冷(さ)めたるココアのひと匙(さじ)を啜(すす)りて...
石川啄木 「詩」
...今まで黙って熱いコーヒーを啜(すす)っていた河合だった...
海野十三 「火星探険」
...蝉の鳴いている樹から、静かな星に至る迄、其処には、言葉に表わさない合図や、身振り、啜泣、吐息などほか、何もありません...
ラビンドラナート・タゴール Rabindranath Tagore 宮本百合子訳 「唖娘スバー」
...するする支那そばを啜った...
戸田豊子 「鋳物工場」
...「奈世はどうした」啜(すす)りながら訊くと...
富田常雄 「面」
...啜り上げて泣きだしました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...あたかも娼婦が啜(すす)り泣きする忍(しの)び音(ね)を聞く如き...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...余も二階へ還つて冷え切つた茶を啜つた...
長塚節 「佐渡が島」
...茶を啜(すゝ)り延(の)ばしてゐると...
夏目漱石 「それから」
...朝起きて啜(すす)る渋茶に立つ煙りの寝足(ねた)らぬ夢の尾を曳(ひ)くように感ぜらるる...
夏目漱石 「倫敦塔」
...お町がくんでくれた温(ぬる)い茶を啜(すゝ)ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...叔母の啜り泣く声が時折障子を隔てた台所から洩れて来た...
牧野信一 「白明」
...草の葉のかげから弱々しい啜りなきの声はいつまでたってもやまなかった...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...あたしはさぶちゃんからじかに聞いたこともあります」「ふん」栄二は酒を啜って...
山本周五郎 「さぶ」
...嫌わないでね」おみやの啜り泣くのが聞えた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...老幼賢愚の隔意なく胸襟(きょうきん)を開いて平々凡々に茶を啜(すす)り...
夢野久作 「近世快人伝」
...共に苦茗(くめい)を啜(すす)り...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...全く打ち續けてその汁を啜り取る樣に私は口をつけた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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