...毎日のように啀(いが)み合っているのは...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...そしてこれだけの人間が、罵(ののし)り、喚(わめ)き、啀(いが)み、嘲(あざけ)るのが、―――太兵衛の如きは大声を上げてわいわいと泣いたりするのが、―――みんな一人の小春を中心にしているところに、その女の美しさが異様に高められていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...私の腹のどん底で噛み合い押し合い啀(いが)み合うている...
種田山頭火 「赤い壺」
...「さう一々啀(いが)み合つちや叶はない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...損が行くと思つて居ましたよ」「その中でも啀(いが)み合はないのがあるだらう」「若旦那――雪之助さんくらゐのものでせうよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...啀(いが)み合いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いきなり啀(いが)み合いを始めましたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こと/″\に啀(いが)み合ひです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...事毎に啀(いが)み合って居たことは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...長く啀(いが)んでいた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...第七章だらだらと退屈な長の道中のあいだ、寒さや、雪融や、泥濘や、寝ぼけ眼の宿場役人や、うるさい鈴の音や、馬車の修理や、啀みあいや、さては馭者だの、鍛冶屋だの、その他いろんな街道筋の破落戸(ごろつき)どものためにさんざん悩まされた挙句、やっとのことで旅人の眼に、自分を出迎えにこちらへ近寄って来るような、懐かしい我が家の灯影がうつりだす――と、やがて彼の目前には見馴れた部屋々々が現われ、迎えに駈け出した人々の歓声がどっとあがり、子供たちがわいわい騒いで駈けまわる、次いで心もなごむような落着いた話に移るのであるが、それが又、旅の憂さをすっかり忘れさせるような熱い接吻でとぎれ勝ちになる――といった具合だったら、まったく申し分はない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...二人の役人が啀みあっている間に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...味方同士啀み合つてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...殆んどまるで犬がかみ合つてゐるやうな啀(いが)むやうな掴(つか)みかゝるやうな物音が聞えて來た...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...そのしおが啀(いが)みあう大洋には濃い霧が乳色の層をつくっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...阿母(おふくろ)と細君とに啀(いが)み合われるほど辛いことはないものだ...
横光利一 「夜の靴」
...功名や地位を争って啀(いが)みあうようなことは少しもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...夫人と啀(いが)み合う事などはなかったと云ってよい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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