...私はいよいよこれは唯事(ただごと)ではないと思うのですが……」「唯事ではない――とは」博士が例の調子で呻(うめ)くように言った...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...何とやら唯事(ただごと)でない...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...いづれ唯事(たゞごと)ならじと思へば何となく心元(こゝろもと)なく...
高山樗牛 「瀧口入道」
...門や垣根を緑葉で飾らないのだろう? こりゃ唯事(ただごと)ではないぞ...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...唯事ではありません」「おかしな事があるものだな」そう言う馬場要の顔を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「何だ八」唯事ならぬ様子に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それを四方から壓(あつ)する空氣も唯事ではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを四方から圧する空気も唯事(ただごと)ではありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...唯事(ただごと)でないように言う店中の噂(うわさ)を思い出したのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こいつは唯事ぢやありませんよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んか唯事でないやうな氣がして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世間一般の歌といふものが味もそつけもないつまらない唯事歌となり了つて既に久しい...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...白刃もて刺さんと云ひぬ恋ふと云ふ唯事千度聞きにける子に私の手には白刃があります...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...恋もせじ人の恨みも負はじなど唯事として思ひし昔私は少女の頃から色々の古典も新作も読んで恋の葛藤の悲しさ痛ましさ浅ましさ恐ろしさを十分知るにつけ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...しかし私の場合にはその唯事が唯事でなくなる様な非常事態もよく起つたものだと今はすつかり学者になりすましたありし日の情熱詩人が静かに往時を囘顧するものであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...内容を唯事(ただごと)風に書いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...唯事じゃありませんぜ」「ウム...
吉川英治 「剣難女難」
...「唯事でないとは心もとない...
吉川英治 「剣難女難」
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