...民衆と接觸する殆ど唯一の時間である...
石川啄木 「我が最近の興味」
...これは唯一真正なる人生苦難の解決法である...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...その当座は唯もう泣くにも泣かれぬ悲しみで心が一杯だった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...唯一の筋道の通つた答えをしたのはその男であつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...唯何にでも魂魄(こころ)が奪(と)られ易くなっているから...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...唯だこの一刹那の意識...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...近代西洋画が存在の危機に瀕(ひん)した時に唯一の救済策として日本画の空気を採り入れたのは何故であろう...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...唯何となく怖かったのである...
中島敦 「南島譚」
...唯――その後由紀子夫人は楽壇から遠ざかりましたが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「ハイ、唯今、すぐ参ります」女中も庭男もいなかったとみえて、奥から飛出したのは倅(せがれ)の嫁のお冬、外から油障子を開けて、手頃の薪(まき)を二三本投げ込みましたが、頑固な鉄砲風呂で、急にはうまく燃えつかない上、煙突などという器用なものがありませんから、たちまち風呂場一杯に漲(みなぎ)る煙です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小鳥たちの声を聴きうるためにベートーヴェンに遺されていた唯一の方法は小鳥たちをベートーヴェン自身のうちに歌わせる事だったのである...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven、ロマン・ロラン Romain Rolland 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...「ひとは唯(ただ)ひとり死ぬるであろう」...
三木清 「人生論ノート」
...その経験を多分唯一の根拠として...
武者金吉 「地震なまず」
...市内唯一の藁葺(わらぶき)屋根として同校の運動場...
夢野久作 「少女地獄」
...夜旅をつづけて来た唯一の護りでありました...
吉川英治 「江戸三国志」
...唯ひとつの精神を一身に堅持してさへ居れば...
吉川英治 「折々の記」
...唯(ただ)、唯、唯...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...それらを相互に交換するための何らかの規則を与えることが出来る唯一の事情であるように思われる...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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