...唯この役を勤めさせられた薄命の致す所である...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...唯(ただ)我等が一念なり...
芥川龍之介 「俊寛」
...唯僕の中(うち)の詩人を完成する為に作つてゐるのである...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...けれども唯一人(ひとり)この機会にスケツチしておきたいのは山田(やまだ)先生である...
芥川龍之介 「本所両国」
...私の罪は唯内省の過敏に釣合ふ程の旺盛な發動力を持つてゐないことであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...果して唯文壇の劣敗者のみの問題に過ぎないのだらうか...
石川啄木 「硝子窓」
...コミューンの旗印の下に労働者の大衆を集める唯一の方法は...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...此間小生は唯運を天に任し...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...當時の日本がヨーロツパぢゆうで唯一の通商國とした和蘭から...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...現に唯物史観は経済学から始まった...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...お孃樣が亡くなれば唯の奉公人になるわけですが――」平次の問は妙に突つ込みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...如何(いか)にも不審な事じゃと唯(ただ)箕作と私と始終(しじゅう)その話をして居た...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...まさに唯物弁証法においてマルクス主義的方法はその頂点に達する...
三木清 「科学批判の課題」
...「そんならその貫いてゆくものの中で変らぬ唯一のものとは何んだろう...
横光利一 「旅愁」
...唯今の時代においては...
与謝野晶子 「激動の中を行く」
...寝て聞くは蒙古の口(くち)の四平街沙(すな)をしづむるむら雨の音書く文の短きを見て遠く行き疲るとや見んふるさとの人南に赴く車上路すでに蒙古に入れどしばらくは柳にまじり樺しろく立つ山消えて沙のみ白き野のなかの我が車をば横ぎれる雁(かり)酒をもて手をも洗ひぬ内蒙古(うちもうこ)今日ゆく路に澄める水無しはて知らぬ沙の上にて路分る唯だ見てあるも寂しきものを南に宿る...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...唯一の生きがいとして...
吉川英治 「宮本武蔵」
...字数による方法が唯一のものでないことはそこに明らかに断わっておいたところである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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