...私もまた唖然として薄暗の中に白く浮いているキリッと引き緊った妻の横顔を眺めながら突っ立っていたのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...唖然としている真名古の顔に月がさす...
久生十蘭 「魔都」
...三方めでたくおさまるわけぞな」金五郎は、唖然とした...
火野葦平 「花と龍」
...二人とも唖然とした...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...そして精神の内容のあまりに貧弱なことを想ふと吾ながら唖然とするばかりだ...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...俺は、唖然とした...
牧野信一 「ひとりごと」
...学生達は唖然として「たつたそれだけですか?」とか「その答へを書くのですか?」などと叫ぶ者があつた...
牧野信一 「文学とは何ぞや」
...先生第一声は「儲かりますぜえ」であったと唖然としていました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...十二万円の話はドウしてくれるんですか」「十二万円……何が十二万円だい」「……………」「十二万円儲かる話でもあるのかい」戸塚は唖然となったらしい...
夢野久作 「オンチ」
...手を拍って快哉を叫んでいる奈良原少年の真赤な顔を見て唖然となった...
夢野久作 「近世快人伝」
...事によると今度が皮切りかも知れんて……」「人間レコード……人間レコード……」「ウム」支那人風の巨漢(おおおとこ)は唖然となっている相手の顔を見下して大笑した...
夢野久作 「人間レコード」
...「ここはどこ……」「古木レントゲン病院……」私は唖然となった...
夢野久作 「冥土行進曲」
...これには唖然というよりは...
吉川英治 「上杉謙信」
...使廳の捕手につかまつて行つたと云ひ――一座唖然としたなどといふ日記の斷片さへ見える...
吉川英治 「折々の記」
...ですからいったでしょう督郵様も、いかに遇するか心を見ておるぞよってね」玄徳は、唖然として、私館へ帰って行った...
吉川英治 「三国志」
...逃げた」唖然としたように...
吉川英治 「私本太平記」
...聞く者は、もう一度、唖然とした...
吉川英治 「日本名婦伝」
...ただ唖然とするばかりだった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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