...即ちその唐櫃は天にも地にも唯一枚の此拓本によつてのみわづかに存在を續けて居る...
會津八一 「拓本の話」
...戀のおほくが眠つてる蘭麝(らんじや)に馨(かを)る石の唐櫃(からうど)……オフェリイ姫はなつかしや...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...その背後(うしろ)にあるのは「御薬草」と書いた御用の唐櫃(からびつ)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...唐櫃はどこにあるんで」ガラッ八は狐につままれたようです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...石の唐櫃の中へ首を入れたところを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彌惣が唐櫃の蓋に首を挾(はさ)まれたのを見定めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――丁度階子段の下のあたりで巨大な唐櫃(からびつ)の下敷になつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...唐櫃は骨董(こっとう)やガラクタ道具を入れたもので、旧家にこんな物のあることはなんの不思議もありませんが、その唐櫃の中に、骨董品にまじって、巨大な漬物石が二つ――二三十貫もあろうと思われるのが入っていたのは奇怪で、その上二階の梯子段から少し離れて、安全な場所にあるはずの二つ重ねの唐櫃が、いつの間にやら手摺(てすり)の側に寄って、上のが一つ、欄干(らんかん)を越して転がり落ちたのは尋常ではありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...唐櫃と一緒に二間あまりの長い綱で連絡した棒が一本と薄い板が庭に落ちており...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たぶん唐櫃は前々から移しておいて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...唐櫃の中を覗きましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三日前奧藏の二階の唐櫃(からびつ)に入れてあつた御朱印を取出し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若党四人に大唐櫃を舁(かつ)がせ...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...早速飛行具組立の材料を大唐櫃に収め...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...一八闇太郎、浪路のなき骸(がら)を入れた唐櫃(からびつ)の蓋に手をかけたが、三斎隠居を見て、「さあ、御隠居、立ち寄って、御覧が、願げえてえんで――」「おお、大分、前口上のある品、定めて、目をおどろかす珍物であろうな?」ツと、立って、太いのべ金の長ぎせるを手にしたまま、縁側、唐櫃の側に寄る...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...此にも同じことを告げて石の唐櫃(からうど)のありし中へ隠してもらいたるところへ...
柳田国男 「遠野物語」
...木の唐櫃の中に入りて寝たり...
柳田国男 「遠野物語」
...唐櫃(からびつ)だのという華やかな祝言の荷は何もないが...
吉川英治 「新書太閤記」
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