...僕は従来衣魚(しみ)と言ふ虫は決して和本や唐本(たうほん)以外に食はぬものと信じてゐた...
芥川龍之介 「変遷その他」
...そしてその次ぎの瞬間には文求堂の店で見た古い唐本(たうほん)の値段の事を考へてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...それは十二三冊の小さな黄表紙(きびょうし)の唐本(とうほん)で...
田中貢太郎 「妖影」
...もと法隆寺の所藏にして現に帝室御物たる唐本の御影と稱する聖徳太子像なり...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...尤も此唐本の御影の現存せる本が眞本なりや摸本なりやは疑問の存する所にして...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...中には唐本の表紙の裏はベタ金になっているのもあった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...」老人は父の讀んで居た唐本を覗いて見て...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
...「詩集ばかりはどうしても唐本でないと讀む氣になれない...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
......
永井荷風 「断腸亭日乗」
...次の大判の唐本仕立てなるを取って見ると「周易経伝(しゅうえきけいでん)」――お銀様は「三世相」の余憤を以て...
中里介山 「大菩薩峠」
...廊下伝いに中庭を越して、奥へ来て見ると、父は唐机(とうづくえ)の前へ坐って、唐本を見ていた...
夏目漱石 「それから」
...唐本の「聊斎志異(りょうさいしい)」を読み耽(ふけ)り乍(なが)ら...
野村胡堂 「猟色の果」
...七十冊ばかりの唐本(とうほん)を買取(かいとっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...源氏は侍従へ唐本のりっぱなのを沈(じん)の木の箱に入れたものへ高麗(こま)笛を添えて贈った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...又唐本草とも云ふ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...土蔵には唐本が一ぱい這入っていて...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...唐本の金瓶梅が大いに違っているということを知っていた...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...例の寒山寺箱と称する唐本型の巻紙封筒入れなど...
山本笑月 「明治世相百話」
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