...僕は従来衣魚(しみ)と言ふ虫は決して和本や唐本(たうほん)以外に食はぬものと信じてゐた...
芥川龍之介 「変遷その他」
...そしてその次ぎの瞬間には文求堂の店で見た古い唐本(たうほん)の値段の事を考へてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...唐本などを漁(あさ)っている知人へは...
田中貢太郎 「妖影」
...もと法隆寺の所藏にして現に帝室御物たる唐本の御影と稱する聖徳太子像なり...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...尤も此唐本の御影の現存せる本が眞本なりや摸本なりやは疑問の存する所にして...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...其の傍(そば)には唐本の套(ちつ)が二ツばかり重ねてある...
永井荷風 「新歸朝者日記 拾遺」
......
永井荷風 「断腸亭日乗」
...朝の中竹田屋来りて過日競売に出したる来青閣旧蔵の唐本中...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...唐本には徃々製本粗末にて落丁のもの有之由...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...他は和本唐本を主となし活版本は僅に古書の翻刻物を売買す...
永井荷風 「古本評判記」
...同じ古本屋にても唐本和本漢籍雑書詩歌俳諧各其の向々あり...
永井荷風 「古本評判記」
...唐本漢籍詩集の類は神田猿楽町の村口...
永井荷風 「古本評判記」
...和本唐本の類は下谷本郷辺に多く神田には村口山本二軒のみにして他は電車通の両側御覧の通り西洋本又当世の新版書類ばかりなり...
永井荷風 「古本評判記」
...われ年々来青花のほとりに先考所蔵の唐本(たうほん)を曝して誦読日の傾くを忘る...
永井荷風 「来青花」
...廊下伝いに中庭を越して、奥へ来て見ると、父は唐机(とうづくえ)の前へ坐って、唐本を見ていた...
夏目漱石 「それから」
...由雄はその時お延から帙入(ちついり)の唐本(とうほん)を受取って...
夏目漱石 「明暗」
...源氏は侍従へ唐本のりっぱなのを沈(じん)の木の箱に入れたものへ高麗(こま)笛を添えて贈った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...唐本の金瓶梅が大いに違っているということを知っていた...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
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