...小岸に墨でも磨らして……」と言ひかけて自分が大文學者になつて唐木細工の大きな机に凭れて絨毯の上に坐つて小説を書いてゐる所をちらと默想する...
高濱虚子 「俳諧師」
...唐木(からき)政右衛門(まさえもん)が二刀を揮って目ざましく働く...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...また林露竹氏等の千代田吟社からは唐木の書棚を贈られるし...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...唐木(からき)の机の上に例の写生帖が...
夏目漱石 「草枕」
...印籠蓋唐木の香箱です...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...唐木に百虫の譜を透かし彫にした欄間(らんま)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...羅紗(らしや)やギヤマンや更紗(さらさ)や唐木細工(からきざいく)が一パイだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...唐木(からき)の机...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...わざと唐木(からき)の空洞(くうどう)に小判があると言ひ出したんだ――一萬兩の大金が俺の言つた通り唐木に空洞を拵へて隱してあつた事は驚いたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銘木や唐木(たうぼく)を扱ふのが主で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...義兄(あに)の唐木屋利七にお鳥の無残な最期の様子(さま)を物語らなければならないことが情けない...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...長崎の唐木屋利七が泊っている筈というと...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...唐木屋さんは如何にもわたくしどもへ泊っておいででござりますが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...寧波(ニンパオ)の自分の山に仰山(ぎょうさん)唐木があるによって...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...あな冷た唐木の机岩に似ぬ人の涙の雫かかれば「似ぬ」はこの作者が好んで用ひる語尾の変化で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...唐木と呼ばるる珍奇なる南方の木材が寄ってきた場合には...
柳田国男 「海上の道」
...主として紙入れや煙草入れについて見ても、その意匠や材料は多種多様であるが、大よそのところ、まず紙入れには、金唐革、天平革、印伝、黒サントメ、しょうぶ革、古金襴、ビロード、唐さらさ、間東しまあるいは能装束切など、金具は後藤の目貫や、宗、近くは夏雄、民国、勝広の彫刻、煙草入れも同様の品に緒〆は古渡さんご、ヒスイ、めのうの玉物または金銀の細工物、トンボ、七宝の類、筒は象牙、唐木等に鉄哉、谷斉の彫、橋市の鞘塗、一楽、長門の編物などで、それらの取合せがまた面白い...
山本笑月 「明治世相百話」
...ここに我々は唐木政右衛門(からきまさえもん)を主人公とする岡崎の段を取ってみる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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