...名古屋を雨の日に立つと唐崎の夜(よ)はいつも霽(は)れてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...何處へ行つたのかと思ふと三井寺から唐崎の松を見に行つたのだと言ふ...
高濱虚子 「俳諧師」
...唐崎なんかへ行くよりは西石垣(さいせき)の何處とかへお茶漬を食べに行く方がいゝさうだ」と例の高調子で言つて「増田今日嵐山へ行かうか...
高濱虚子 「俳諧師」
...唐崎(からさき)はあの辺かなど思えど身地を踏みし事なければ堅田(かただ)も石山も粟津(あわづ)もすべて判らず...
寺田寅彦 「東上記」
...同志への誓約を、果した上は――」「果したとは云えぬぞ」「果したことにしておけ――あれが、唐崎であろう...
直木三十五 「南国太平記」
...「唐崎(からさき)の松は花よりおぼろにて...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...「はい、お館(やかた)のうちで、景色はここが一番よろしうございます」「この松も、いい松ではありませんか」「全く、見事な松でございます」「あなたは、ここから見た琵琶湖附近の名所名所を御存じですか」「いいえ――まだ、ずいぶん昔からの名所でございますそうですけれども、調べてみる暇もございません、教えて下さる方もございません」「二人で少し調べてみましょうか」「はい」「お仕事が忙しいの?」「いいえ――どうでもよろしい仕事なのでございます」「では、もう少しこちらへいらっしゃいな」少しでも多くの視野を展(ひろ)げられるように、お銀様は、お雪ちゃんを自分の身に近く招き寄せましたから、お雪ちゃんはそのまま縁先ににじり寄ると、「ごらんなさい、あの比良ヶ岳から南へ、比叡山の四明ヶ岳――その下が坂下(さかもと)、唐崎、三井寺――七景は雲に隠れて三井の鐘と言いますが、ここではその鐘も聞えません...
中里介山 「大菩薩峠」
...唐崎浜の松をはじめ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「や、君は翠川君、待っていましたぞ――御存じだろうが、私は唐崎荘之介、この平泉発掘事業の投資者だ、一緒に来たのは秘書の杉村三五郎君、どうぞ宜(よろ)しく」「…………」健一は黙って挨拶して、この古風な頬髭を持った実業家の向うへ腰をおろしました...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...唐崎荘之介とその秘書杉村...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...唐崎荘之介と秘書は辛くも息だけは通っている様子です...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...あのまま死ぬところだった」唐崎荘之介は...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...唐崎(からさき)まで通ずる猿塚なる穴あり...
南方熊楠 「十二支考」
...湖の上を対岸の唐崎まで渡つて行く夜の景色は...
横光利一 「琵琶湖」
...舟が唐崎まで着くと...
横光利一 「琵琶湖」
...唐崎の陣をすてて...
吉川英治 「私本太平記」
...三井寺にも唐崎(からさき)にも――来てみればもう敵は一兵も見えなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...唐崎に記念の松を植えさせ...
吉川英治 「新書太閤記」
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