...なかなかもって、アテナ洋墨(インキ)や、日用品の唐墨の、筆、ペンなどでは追っつきそうに思われぬ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...幸い持合せの些(ちと)泥臭(どろくさ)いが見かけは立派な円筒形(えんとうけい)の大きな舶来(はくらい)唐墨(とうぼく)があったので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...田舎の片隅でこっそりいわゆる唐墨のかけらなどを少しばかり集めているN氏の墨の話などには...
中谷宇吉郎 「墨色」
...唐墨の破片を数片...
中谷宇吉郎 「墨色」
...唐墨などの青墨と油煙墨系統のものとの墨色の差は子供にも十分分る位はっきりしたものであることを初めて知ったのである...
中谷宇吉郎 「寅彦夏話」
...一片の唐墨に千金を投ずるという話もこれでは嘘ではないと思った位であった...
中谷宇吉郎 「寅彦夏話」
...唐墨を一本送ったから...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...唐墨の試験に絶好の機会と...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...「朱泥は呈上可仕候(つかまつるべくそうろう)唐墨の方は進呈致兼候(いたしかねそうろう)間(あいだ)存分(ぞんぶん)御(ご)試用の後御返送を願上候(ねがいあげそうろう)」というのである...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...しかし同じく唐墨といっても...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...「ごく良い唐墨(とうぼく)を使っている人間の仕業だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「極く良い唐墨(たうぼく)を使つてゐる人間の仕業(しわざ)だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...上等の唐墨(たうぼく)を洗ひ落すのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...唐墨を使つて居るとは知らなかつたよ」「へエ?」八五郎はまだ腑に落ちない樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...墨は親指(おやゆび)ほどではあるが唐墨の片(かけ)らに違いなく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...匂いの良い唐墨だ」平次と八五郎は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...封筒の表書(うわが)きは上等の唐墨で...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...宗祇は文明十七年に闕本ながら古本ではありかつ美麗な『万葉集』十四冊をば、実隆に送り、そのほか定家卿色紙形一枚を送り、また宗祇が香道の名人で、自身調合にも巧みであったから、種々なる薫物を送り、あるいは養性のためにせよとて蒲穂子を贈り、筆の材料にとて兎毛を贈り、唐墨を贈り、旅から帰ると、旅先の名物と称せらるる器物や食物や反物などを土産とし、しからざれば一壺の酒一緡(いちびん)の青をもって土産として、ある時は三条西家の青侍等の衣服にとて帷(かたびら)三を贈ったこともあった...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
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