...花田はまっさおな唇を半ば開き...
梅崎春生 「日の果て」
...唇なんかも念入りにルージュが塗ってある...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...私の戀の相手はまばたきもせず小さい下唇だけをきゆつと左へうごかして見せた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...耳飾も唇飾も身体を傷くるに於ては同等なる弊風なり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...こりゃ此(この)唇(くちびる)から息(いき)が離(はな)れてから最早(もう)久(ひさ)しい...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...あんたの心尽くしはきっとわたしが――手紙も確かに届けるから」ほのかなる笑(えみ)は浪子の唇(くちびる)に上りしが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ただ微笑(ほほえ)んで、唇を差出し、元気を出して彼を抱擁し、それからまた頭を彼の肩の上に落した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...薄い唇のはじに犬歯の先端が白くほの見えている...
豊島与志雄 「秦の出発」
...この女の唇だったかも知れません...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...五年間自分を尋ねてくれたと言う純情的な武士の名が絶望的なお鳥の唇へ...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...キュラソウの高脚杯(グラス)を唇にあてて...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...富岡はゆき子の手の指を唇に噛(か)んだ...
林芙美子 「浮雲」
...どうしても唇を許さなければならないなんて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...涎(よだれ)のたれそうな唇でいつまでも笑っていた...
山川方夫 「その一年」
...それによ」と彼は唇を舐(な)めた...
山本周五郎 「青べか物語」
...甲斐はかすかに唇で笑い...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...誰の唇も紫色していた...
吉川英治 「三国志」
...杯に礼をして唇(くち)へ入れた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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