...堅く結んだ唇のあたりには...
芥川龍之介 「邪宗門」
...ぽうとなって少し唇の乾いたという容子(ようす)で...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...巡禮(じゅんれい)にも唇(くちびる)がござりまする...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...口が利けないほどに唇がふるえましたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...唇の薄い女である...
夏目漱石 「それから」
...紅のない唇(くちびる)には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...椿(つばき)の花のように素敵にいい唇だ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...めちゃくちゃに酔っぱらった私の唇を盗んで行きました...
林芙美子 「新版 放浪記」
...口唇も濃くぬって...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...じっと唇を噛み締めて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...その上、もし討ち洩らして、やみやみ逃(のが)れられでもしたら、もはや、剣の師として、江戸で標札が上げられぬことにもなろう――どうしても、斬ッてしまわねば――個人としては、雪之丞に、何の恩怨もない彼等だが、不届きな芸人を、さんざんに、剣の先きでもてあそんだ末、試し斬りも自由という、平馬の面白おかしい誘引に乗って、ここまで来てしまった彼等、いのち賭けの仕事と、はじめて思い知って、みんな、唇の色が変った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「お米やなにかはどこにあるんですか」半三郎は舌で唇を舐(な)め...
山本周五郎 「あだこ」
...幸太郎がよくなってからも唇のまわりや頭などに腫物(はれもの)のようなものが残り...
山本周五郎 「柳橋物語」
...上唇にきずがあって一層凄い...
山本笑月 「明治世相百話」
...彼女の均衡を失った唇の片端は...
横光利一 「上海」
...ちらりと唇に残った紅の艶から...
横光利一 「旅愁」
...いや焦立(いらだ)たしいことではある」「…………」小宰相の唇が白っぽく息をのんだ...
吉川英治 「私本太平記」
...ちょっと青ざめた唇を...
吉川英治 「夕顔の門」
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