...よき藝術は農婦の唄かベートーヴンか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...それなら私は唄はう――私は凡てに勝つてあなたを光栄としよう...
有島武郎 「運命と人」
...ちょうどその唄う声を...
泉鏡花 「歌行燈」
...……飛ぶ鳥をして飛ぶ鳥の歌を唄わしめるがいい...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...咽喉(のど)をふくらまして長く引っぱる唄を謡い出す頃である...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...そして唄はう踊らう!十月廿三日好晴...
種田山頭火 「其中日記」
...独吟の唄一トくさり聴(き)きて役者の花道(はなみち)へ出(いづ)る時...
永井荷風 「江戸芸術論」
...自分は「長唄」という三味線の心持をばこの瞬間ほどよく味い得た事はないような気がした...
永井荷風 「夏の町」
...勝次郎は清元をやる丈あって長唄も多少は耳がある様子で...
羽志主水 「越後獅子」
...なつかしのプロヴァンスの唄でもうたいましょうか...
林芙美子 「新版 放浪記」
...十八ばかりの女が寝台の上にひつくり返つて鼻唄をうたつてゐた...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...色恋は……唄と三味とに乗って...
火野葦平 「花と龍」
...あの阿呆め! 「ジューディ・オフラナガンとパッディ・オラファティ」の唄を弾くふうをしながら...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...唄をうたふ声が二階で日記をつけてゐるわたしの耳に響いた...
牧野信一 「湖の夢」
...「この小唄を作る男に会いましたが...
室生犀星 「幻影の都市」
...おみやはそのことだけに熱中し、殆んど飽きることを知らない、というふうであるが、お久米は酒もほどよく、唄もうたい、やんわりくどきかけるし、あとにしんみりとした余情が残った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それは唄にまで謡っている――牧場に駒は多けれど馬中の一は赤兎馬(せきとば)よ洛陽人は多けれど勇士の一は呂布奉先(りょふほうせん)従って...
吉川英治 「三国志」
...曳(ひ)かれ者の小唄(こうた)は聞きにくいもの――」「女郎(めろう)! おぼえていろ」かッと...
吉川英治 「神州天馬侠」
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