...彼の慟哭と絶叫とは始めて洪鐘のやうに響き渡るのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...日夜の哭啾(こくしゅう)聞こえざるに聞こゆ...
有島武郎 「星座」
...邦訳聖書において見るもその悲哀美に富める哀哭(あいこく)(Lamentation)たるを知り得るのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...大鬼小鬼夜哭するの地に...
大町桂月 「豐島ヶ岡」
...爾(ココ)に其御祖(ミオヤ)ノ命哭き患いて...
高木敏雄 「比較神話学」
...臧は慟哭(どうこく)して...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「珊瑚」
...同じ様に肩を顫わせてしくしくと哭(な)き始めたのであります……...
西尾正 「陳情書」
...チャイコフスキーの泣き濡(ぬ)れた姿――嗚咽(おえつ)と歔欷(きょき)と慟哭(どうこく)とに充ちた音楽――は常に我らのために――存分に泣くことをさえ許されない我らに代って――心から悲しむ姿であり...
野村胡堂 「楽聖物語」
...号泣――慟哭(どうこく)するような悲鳴――となった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黒猫」
...「レクヰエム」の莊嚴なる一篇をもつてリルケがその死を哭した...
堀辰雄 「「鎭魂曲」」
...然越三日過其間聞哭聲扣隣人曰...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...その声には肺腑(はいふ)をしぼって哭(な)くものの底知れぬなげきがこもっていた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...その酷(むご)たらしさを聞いて哭(な)かずにいられなかった...
吉川英治 「三国志」
...哭(な)き声で知らせた...
吉川英治 「三国志」
...悲憤して哭くのが癖であった...
吉川英治 「三国志」
...――いや文字のひとつひとつも哭(な)いているように見えた...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...或は磨(うす)ひく家に還るの時未だ至らざるにわが児家に啼き哭(こく)して我を恋い慕わんと思い起せば胸さわぎ心愕(おどろ)き乳ながれ出でて堪(た)うる能(あた)わず乃(すなわ)ち...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そのたびに母は浜子を抱いて慟哭(どうこく)した...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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