...彼女の哀切な声を聞いて、私も泣きたくなった...
...葬儀の場面で、哀切な気持ちが込み上げてきた...
...その映画のラストシーンで、哀切な音楽が流れてきた...
...スピーチの中で、彼の哀切な心情が伝わってきた...
...哀切な気持ちを忘れないように、自分に言い聞かせた...
...しかしこの哀切なる悲声が彼の魂の咽喉(のど)を絞りて出でたるがために...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...顔をそむけたいくらいの哀切な誓いをするので...
太宰治 「斜陽」
...一つは哀切な運命悲劇の醍醐味もあるだろう...
辰野隆 「感傷主義」
...それはあの物語が扱っている戦国の女性の哀切を極めた運命と...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...二人の生活がこんな悲しい成行きになってしまったという哀切な意識からだった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...訪へる神母はその愛兒、パトロクロスの傍に伏して號慟切なるを認む、同僚亦ともに 5あたりに泣けり、端嚴の神女その時近寄りて、彼の手を取り、翼ある言句を陳じ彼に曰ふ、『愛兒よ、悲哀切なるも、彼の伏すまゝ打すてよ、その初より神明の意により彼は討たれたり、いざ人界の子が未だ肩に荷ひしことのなき、 10華麗の鎧收め取れ、ヘープァイストスの贈物...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...聴きようで、哀切にも響く、無常にも響く、楽しくも響く……...
豊島与志雄 「操守」
...両側のすすり泣きはいよいよ哀切をきわめる...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...子守唄(こもりうた)の哀切(あいせつ)な思慕であった...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...彼の魂の哀切なノスタルジア...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...一層哀切にやるせないリリシズムを痛感し...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...輕太子(かるのみこ)と輕大郎女(かるのをとめ)との哀切な情史が其處にある...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...その叫びごゑには、何か哀切な、帛(きぬ)をさくやうな、さしせまつた、異常な恐怖を訴へる、誰れにともない救急の呼びごゑのやうな節も感ぜられたし、かと思ふと、そこの入江にのぞんで建つてゐる料亭の広間で、したたかに酔つ払つたひと組の連中が、何かしら胴間ごゑを張り上げてふざけ散らしてゐる、意味もないたは言のやうにもききなされる節があつた...
三好達治 「海辺の窓」
...彼の上に深い感化を及ぼして早死にした心の友ラ・ボエシ Etienne de La Botie(正しくはラ・ブウェティと発音される)に対する哀切な追憶が生んだ友愛論であると共に...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これは愛の告白として実に哀切なるものではないか...
山本周五郎 「思い違い物語」
...哀切(あいせつ)な長詩...
吉川英治 「随筆 新平家」
...岩峭も揺れおののく――といったような幽玄哀切を描きながら...
吉川英治 「随筆 新平家」
...音は尺八に似てさらに哀切なるものである...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
便利!手書き漢字入力検索