...駅には何か哀しげな翳がただよって来る...
梅崎春生 「狂い凧」
......
榎南謙一 「夜雲の下」
...ふと料理場の入口でおきよが青白いまでに哀しげな風にこちらの賑かさを見てゐるのだ...
武田麟太郎 「一の酉」
...たちまち尻尾を股に挟んで哀しげな啼(な)き声を挙げながら...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...哀しげな唸りをつづけてゐる...
中原中也 「夏の夜の話」
...うら哀しげな鳥の声...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...みればぐにやぐにやした心臟がくさりかかつてゐるらしいそれゆゑ哀しげな晩がたになると青ざめた海岸に坐つてゐてちら ちら ちら ちら とくさつた息をするのですよ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...ちらちらとしてもえ哀しげなるに...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...それゆゑ哀しげな晩かたになると...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...もの哀しげな太い響は...
原民喜 「壊滅の序曲」
...すると何処からともなしに哀しげな手風琴の音が聞えて来た...
原民喜 「火の子供」
...哀しげなアニタ・スチュワードの白白しい微笑んだ絵はがきが...
室生犀星 「幻影の都市」
...かれらは気むずかしく哀しげな容子(ようす)を...
室生犀星 「みずうみ」
...稍うつむきのその面には哀しげな苦笑がみえていた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...哀しげなようすにさえみえる...
山本周五郎 「いさましい話」
...よわよわしく哀しげな挨拶ぶりであった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...哀しげな声であった...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...哀しげな詩(うた)の声が聞えてきたので...
吉川英治 「三国志」
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