...荒あらし霞の中の山の襞この一句のほかにうす黄なる落葉ふみつつやがて來し河のべ原の白き花かも 南部修太郎いかばかり君が歎きを知るやかの大洋の夕べ潮咽ぶ時 南部修太郎しらじらと蜜柑花さく山畠輕便鐵道の歩みのろしも 菊池 寛と芥川が書いてゐる...
小穴隆一 「二つの繪」
...咽ぶがごとき溪聲を聞く...
大町桂月 「冬の榛名山」
...谷川の音が何處か遠くで咽ぶやうにきこえた...
田山花袋 「歸國」
...神よ問はなむぬばたまの「夜」のもすそに包まれて咽ぶ涙は幾何ぞ靜けき夢は幾何ぞ...
土井晩翠 「天地有情」
...」さらばとばかり夕浪も咽ぶ恨のせゝらぎや霧たちこむる谷川は跡見返れどかひぞなき浮世の秋ももろともに流れ/\て末遠く...
土井晩翠 「天地有情」
...下ゆく流水痩せて咽ぶも悲し秋の聲...
土井晩翠 「天地有情」
...落葉が下に水咽ぶ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...逢ふ事も涙に咽ぶばかりなり』といふ文字もあつて...
野口米次郎 「能楽論」
...汽船は咽ぶような汽笛を長鳴させながら...
久生十蘭 「海豹島」
...足柄の五月の霧の香に咽ぶ君あらぬ後杜鵑と我と五月の若葉時の足柄は好天必ずしも続かず雨や霧の日も多い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...全く意に介さぬ心地で咽ぶやうに云つた...
牧野信一 「黄昏の堤」
...」「そんな不自然な真似は厭だア!」「ほう! 不自然な真似は厭――と? 一寸待つて呉れ、俺、何だかわけが解らなくなつてしまつたよ……」「俺も――」と彼は、咽ぶやうに、一気に盃を干した...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...はるか脚下に咽ぶが如き水音の楽を聴き...
牧野信一 「バラルダ物語」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...それ共又感涙に咽ぶかも知れぬ...
山本宣治 「婦人雑誌と猫」
......
横瀬夜雨 「花守」
...その唇の上に、太陽も、人も、そよかぜも、蜜蜂も、身を投げて寄り伏し、酔ひと夢の中に、焼けて咽ぶ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...闇の中に咽ぶやうに寄る波と...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
便利!手書き漢字入力検索