...荒あらし霞の中の山の襞この一句のほかにうす黄なる落葉ふみつつやがて來し河のべ原の白き花かも 南部修太郎いかばかり君が歎きを知るやかの大洋の夕べ潮咽ぶ時 南部修太郎しらじらと蜜柑花さく山畠輕便鐵道の歩みのろしも 菊池 寛と芥川が書いてゐる...
小穴隆一 「二つの繪」
...樋はまた咽ぶ――蛞蝓はなめりぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...谷川の音が何處か遠くで咽ぶやうにきこえた...
田山花袋 「歸國」
...影縹緲の空遠くゆふべいざよふわが姿無心のあとは有(いふ)情の誰が高樓(かうろう)の眺めぞや珠簾かすかに洩れいでゝ咽ぶ妻琴ねも細く...
土井晩翠 「天地有情」
...登高烟は沈み水咽ぶ五城樓下(ごじやうろうか)の夕まぐれ高きに登り佇めば遠く悲雷(ひらい)の響あり心の空に吹き通ふ風の恨に誘はれて色こそ悼め夕雲の嶺に歸るもなつかしや...
土井晩翠 「天地有情」
...神よ問はなむぬばたまの「夜」のもすそに包まれて咽ぶ涙は幾何ぞ靜けき夢は幾何ぞ...
土井晩翠 「天地有情」
...弦月落ちて宵暗の星影凄し廣瀬川恨むか咽ぶ音寒く川波たちて小夜更けて秋も流れむ水遠く...
土井晩翠 「天地有情」
...」さらばとばかり夕浪も咽ぶ恨のせゝらぎや霧たちこむる谷川は跡見返れどかひぞなき浮世の秋ももろともに流れ/\て末遠く...
土井晩翠 「天地有情」
...胡弓の咽ぶ如き音色...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...汽船は咽ぶような汽笛を長鳴させながら...
久生十蘭 「海豹島」
...君と共に咽ぶ筈の山の霧であるが君なき後とて図らずも杜鵑と二人で咽んでゐる所ですとあの世の人へ報告する心持も持つてゐるやうな歌である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...咽ぶような胡弓の調べ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...全く意に介さぬ心地で咽ぶやうに云つた...
牧野信一 「黄昏の堤」
...ふるへて咽ぶわがこゝろ――成程これは美智ちやんが作つたとしては大出来だ...
牧野信一 「美智子と日曜日の朝の話」
...乾草の香りに胸をつかれて咽ぶ見たいな息苦しさを感じた...
牧野信一 「山を越えて」
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室生犀星 「愛の詩集」
...それ共又感涙に咽ぶかも知れぬ...
山本宣治 「婦人雑誌と猫」
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横瀬夜雨 「花守」
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