...元来咽喉(のど)を害してゐた私は...
芥川龍之介 「蜜柑」
...そして嘔(は)きそうな衝動が胸から咽喉(のど)を走った...
梅崎春生 「日の果て」
...「火の玉」少尉の咽喉(のど)の奥からとびだした...
海野十三 「空中漂流一週間」
...咽喉(のど)を紫にして...
谷譲次 「踊る地平線」
...帳面やこの嗚咽に至るまで思い返して見た...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...娘の嗚咽の声を聞いて以来...
外村繁 「澪標」
...不意に咽喉でも絞めに来るとか...
中里介山 「大菩薩峠」
...近江の国のささ波の大津の宮に天(あめ)の下(した)知ろしめしけむすめろぎの神のみことの大宮はここと聞けども大殿はここといへども春草の……と咽喉(のど)が裂けるほどの声で歌い出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...たまたま飯の蓋(ふた)を取れば咽喉(のど)へ通らない壁土が出て来る...
夏目漱石 「坑夫」
...男は咽喉部の気管を切断し絶息し居たり...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...カラカラに燥(かわ)ききった咽喉の奥に痛烈にしみとおっていった...
久生十蘭 「地底獣国」
...焼酎を飲みつけている彦太郎の咽喉には...
火野葦平 「糞尿譚」
...老夫人の咽喉はただ切られていただけではなく...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...自分の胸の中に不思議なシヤツクリが起つてゐる見たいな咽びを感じて辛うじて耳を澄すと...
牧野信一 「舞踏会余話」
...昨夜の埃臭い霧が咽喉(のど)を冒したのである...
山本周五郎 「青べか日記」
...声を立てまいとしても押え切れない声が両手の下から咽(むせ)び出た...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...孝行ものでございましたゆえ……」偽りなく老母はいってまた咽(むせ)び泣いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...カラカラに乾いた咽喉と血走った眼に...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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