...下の人に知れないやうにと咳もしなかつた...
田中貢太郎 「青い紐」
...ヱゴ諸相の連続映像!・朝日まぶしい花きるや水仙・けさのひざしの手洗水へあたたかくここもやしきあとらしいうめのはな・もうしづむひでささのさやさや・ゆふべのサイレンのながうてさむうて・暮れても耕やす人かげに百舌鳥のけたたましく・茶の木にかこまれそこはかとないくらし(述懐)火を焚いて咳ばかりして二月十三日降霜結氷...
種田山頭火 「其中日記」
...ジェリーは荒々しい咳払いをして...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...媒妁は一咳(いちがい)してやおら立上った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...」兼太郎は返事に困って出もせぬ咳嗽(せき)にまぎらした...
永井荷風 「雪解」
...一つには一同(どう)がひつそりとして咳拂(せきばらひ)をもせぬ故(せい)であらうが極(きは)めて明瞭(めいれう)に聞(き)きとられた...
長塚節 「土」
...とひとつ咳払いをすると...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...山に馴れたテンバまでが咳きこみだした...
久生十蘭 「新西遊記」
...妙な咳(せき)を...
火野葦平 「花と龍」
...思ひきり大きくくしやみをして咳き込んでしまつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...咳の発作は一時止まったらしかった...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...こういうと烈しく咳をして...
室生犀星 「音楽時計」
...しきりに咳をしはじめた...
室生犀星 「童子」
...どんなせき込んだ苦しい咳をしているあいだでも...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...どうやら咳も止まったので気にもとめずに働いた...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...そう云いながらも軽い咳(せき)をするし...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...咳入(せきい)った...
吉川英治 「三国志」
...――あの人?」奥の書斎から咳声(しわぶき)がきこえたと思うと...
吉川英治 「旗岡巡査」
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