...おくれ咲きの山桜や山吹とともに何ともいわれぬ残春の景趣を横溢させている...
上村松園 「北穂天狗の思い出」
...こころをこめたいのりのなかに咲きいでるほのかなばらよ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...花は今を盛りと咲き滿ちたり...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...たとえば藤の花と牡丹(ぼたん)のごときはほとんど同時に咲きます...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
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立原道造 「暁と夕の詩」
...・けふも暑からう蓮の花咲ききつた・ここも空家で糸瓜の花か・風が落ちて雨となつた茄子や胡瓜や・夕立晴れた道はアスフアルトの澄んだ空・大橋小橋も新らしい国道一直線・やつぱりお留守でのうせんかづら青柳おしわけいたゞくや一銭銅貨・しんじつよい雨がふるいちじくの実も・よい雨の...
種田山頭火 「行乞記」
...山にはつゝじが咲きみだれ...
種田山頭火 「道中記」
...十月には武蔵野のどこかで桜が返り咲きに満開したそうである...
寺田寅彦 「柿の種」
...花咲き、鳥歌い、虫おどる春の美しさは、つまり性の美しさなんですよ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
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長塚節 「長塚節歌集 上」
...私は道ばたに咲き出た松虫草の花やひるがおの花に明るい陽光の降り濺いでる静寂の中に彳んで...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...藤紫のせんだんの花が咲き...
林芙美子 「旅人」
...咲きたての花のような面差しをした愛々(あいあい)しい女性で...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...でもあれは四月でなくては咲きませんの」杜松子は顔をかしげるようにして萩の花むらをながめながら...
久生十蘭 「ユモレスク」
...狂い咲きだなあ...
三好十郎 「樹氷」
...おねだりとは」「――まあ牡丹(ぼたん)がきれいに咲きましたこと」明けてある小窓の向うを見てこう云うと...
山本周五郎 「落ち梅記」
...まだ妾の枕元に咲きほこっていますわ...
夢野久作 「少女地獄」
...月の光りに咲き出た夜の花のような卑弥呼の姿を...
横光利一 「日輪」
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