...花は歌声につれて音をたてんばかりにする/\と咲きまさつていつた...
有島武郎 「お末の死」
...もう花を咲きかけてゐるだらう...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...縁側の日あたりに美しく咲きほこっていた石楠花ももういつか見る影もなくなった...
伊藤野枝 「出奔」
...桜花の咲き揃うたのを見て美しいと感ずることはそのために少しも減ぜぬ...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...煎(い)つてゐる雛(ひな)のあられの花咲きつ遠ざけて引寄せもする春火桶(はるひおけ)三月七日 二百二十日会...
高浜虚子 「五百五十句」
...咲き乱れた花の梢には...
田中貢太郎 「花の咲く比」
...草花は道べりに咲きつゞいてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...もう山吹が咲き杜鵑花が蕾んでゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...そういう時によく武蔵野名物のから風が吹くことがあってせっかく咲きかけた藤の花を吹きちぎり...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...さながら花氷のように薄桃のベコニヤが咲き乱れていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...悲しみと喜びとが生まれ花咲き消え失せるのを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「おいお兼とうとう絞(しぼ)りのが咲き出したぜ...
夏目漱石 「行人」
...まだ山科(やましな)は過ぎずや空氣まくらの口金(くちがね)をゆるめてそつと息をぬいてみる女ごころふと二人かなしさに身をすりよせしののめちかき汽車の窓より外(そと)をながむればところもしらぬ山里にさも白く咲きてゐたるをだまきの花...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...その五は白色あるいは帯黄白色の花が咲きヒガンバナとショウキランとの間の子だと私の推定するシロバナマンジュシャゲである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...咲きょうけんそんして「いらない原稿紙があったら下さい」だって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あたりにいろいろの花咲き...
柳田国男 「遠野物語」
...つづらをりはるけき山路登るとて路に見てゆく竜胆の花散れる葉のもみぢの色はまだ褪(あ)せず埋めてぞをる竜胆の花をさびしさよ落葉がくれに咲きてをる深山竜胆の濃むらさきの花摘みとりて見ればいよいよむらさきの色の澄みたるりんだうの花越ゆる人まれにしあれば石出でて荒き山路のりんだうの花笹原の笹の葉かげに咲き出でて色あはつけきりんだうの花また...
若山牧水 「秋草と虫の音」
...或は木立から抜けて真白な瀬の上にあらわに咲き垂れているのもある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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