......
石川啄木 「一握の砂」
...もし歳時記――俳句の季題を集めた書物――を見たばかりで瓜類は夏に花が咲き秋になって初めて結実するものだなどと考えている人がありましたらそれは大変な間違いと申さなければなりません...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...麦の穂が出揃うて菜種が咲き揃うて...
種田山頭火 「其中日記」
...したさうなをべしをみなへしと咲きそろふべしこの一句が私のせめてものハナムケに有之候...
種田山頭火 「其中日記」
...きばんだ葉の垂れさがつた下に白い野菊の花が咲きみだれ...
永井荷風 「枯葉の記」
...山の草ばなの咲きほこるなかを...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...百花妍(けん)を競つて咲き亂れることでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...菊もうららに咲きいでたれど我身は砂丘に寄りて悲しめりさびしや海邊のおくつきに路傍の草を手向くることこのわびしきたはむれにひとり樹木にすがりつきたましひも消えよとむせびなく...
萩原朔太郎 「秋日行語」
...煤煙くもる裏街の貧しき家の窓にさへ斑黄葵(むらきあふひ)の花は咲きたり...
萩原朔太郎 「氷島」
...そこに赤い二つの薔薇が咲き出したようにも見えるのだった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...それの咲き出す頃が丁度私の田舎暮しもそのクライマックスに達するのではないかというような予覚のする...
堀辰雄 「美しい村」
...かくムクゲの花は前記の通り一日咲き通しで一日顔だから...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...花も咲き満ちているのをいったものである...
牧野富太郎 「植物記」
...桜が咲きだすのをみて...
山本周五郎 「山彦乙女」
...濡れた白い花が日々咲き増していくのがよく分る...
横光利一 「欧洲紀行」
...左右の崖には梅が咲きかけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...藤の花が一つ二つ咲きはじめた日であった...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...その咲き始める時はまことにいゝ...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索