...およそストーヴと名のつくもので日本座敷に調和するような形態のものは一つもない...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...もし日本人の趣味には水彩画が調和するというようなことを智力の上で判断して...
津田左右吉 「芸術と国民性」
...書き割りを背にして檜舞台(ひのきぶたい)を踏んでフートライトを前にして行なって始めて調和すべき演技を不了簡(ふりょうけん)にもそのままに白日のもと大地の上に持ち出すからである...
寺田寅彦 「映画時代」
...そしてそれを融和すべき相対原理がまだ認められない事である...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...よく溶解し混和するようにかき交ぜなければならない...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...末廣重恭の三氏を抑留する能はざりき曾て革新派の一大分裂を禦ぐ能はざりき大井憲太郎氏の一派を容るゝ能はざりき河野廣中氏の一派を脱黨せしめたりき星亨氏の強頂を制する能はざりき松田正久氏の剛直を融和する能はざりき時としては自由黨をして四分五裂の危機に瀕せしめたることありき斯くして自由黨は尾大不掉の状態を現出したりき其同化力の缺乏せる以て見る可し然るに大隈伯は之れに反し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...よく調和することができていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...朱塗(しゅぬり)の欄干(らんかん)にのみ調和する蓮の葉は...
永井荷風 「曇天」
...その画に調和するような俳句を考えている暇がなかったのである...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...彼女はわが夫を世の中と調和する事の出来ない偏窟な学者だと解釈していた...
夏目漱石 「道草」
...ピタリと調和するといつた肌合の女です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...数えきれぬ僧院と精舎で唱和する読経の声が...
久生十蘭 「新西遊記」
...たぶんむずかしいところで講和することになるでしょうが...
久生十蘭 「ノア」
...だがこの二つは決して調和する代物ではない...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...畢竟(ひっきょう)自分と自分の周囲と調和することが甚だ困難になつて来たのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...また若干の外見的な矛盾を調和することは出来る...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...江戸で唐櫛屋(とうぐしや)を二十三屋と呼んだは十九四(とくし)の三数を和すれば二十三となるからという(『一話一言』八)...
南方熊楠 「十二支考」
...これは比較的早く飽和するにきまっているし住宅地とすれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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