...あたりの靜寂と月の光とに調和するやうに思はれた...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...其爭ふや赤く、其和するや緑に、天上の星光(せいくわう)、雲を破る如く、はてしらぬ原にかがやき、火の如くなりて虚空(こくう)に轉じ、山を攀(よ)ぢ、川を照らし、新光明(しんくわうみやう)を隈(くま)なく放ちぬ、海より海へと、靜寂(せいじやく)の邦の上に...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...二葉亭の不平を融和する旁(かたわ)ら...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...思うに仏教の根底にある無常観が日本人のおのずからな自然観と相調和するところのあるのもその一つの因子ではないかと思うのである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...元子が互いに衝突するために物が生成し変転するという考えと元子が同速度で並行に動くという考えとの矛盾を融和するために持ち出されたこの原子の偶然的任意的偏向を一転して「自由意志」の存在と結び付けようとしている...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...裏面には彼の復讐兵を向けるのを緩和するためであった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...その画に調和するような俳句を考えている暇がなかったのである...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...これを日本の物語に書き下(おろ)さなかったのはこの趣向とわが国の風俗が調和すまいと思うたからである...
夏目漱石 「幻影の盾」
...宗助はこの世界と調和するほどな黒味の勝った外套(マント)に包まれて歩いた...
夏目漱石 「門」
...あるいはいわゆる聖賢者の言を聞きて一時にこれに和するのみならず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...今度は内容外観追々に季節々々の美しさを調和するやうなデザインが欲しい...
正岡容 「寄席風流」
...そしてかくも重要なる点において一般法則の生硬な是正を緩和すべき政策は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...江戸で唐櫛屋(とうぐしや)を二十三屋と呼んだは十九四(とくし)の三数を和すれば二十三となるからという(『一話一言』八)...
南方熊楠 「十二支考」
...これは比較的早く飽和するにきまっているし住宅地とすれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とにかく指導者の人は山田先生のお弟子さんでありケイコのはじめには宮城をよう拝し公演開幕の前には「国民の誓い」を唱和する式でそれも腹からまじめにやっている人が多いのです私はそれを信じよろこび勇んで先頭に立って働いたそれに劇団の中だけには自由で進歩的な空気があったそして何よりもそこにはまだ芸術らしいものが有ったのです...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...それによって双方を緩和することができる...
柳宗悦 「工藝の道」
...どこの国のものとも並在し調和する国際性を有っているのです...
柳宗悦 「民藝の性質」
...尊氏と和すことが...
吉川英治 「私本太平記」
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