...商売人の咄(はなし)に由(よ)るとやはり外国人が頻(しき)りに感嘆して買出したからであるそうだ...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...少くも話題を富まして下らぬ瑕瑾さがしや贅沢咄を少くするだけにても効能がある...
内田魯庵 「家庭の読書室」
...そしてもう一人は?(どこかで見た顔だ)と八十助は咄嗟(とっさ)に考え出そうと努めたけれど...
海野十三 「火葬国風景」
...「例のサーカスの女の亭主じゃないんですか?」S夫人は伯爵夫人の依頼から咄嗟に想像して訊いてみた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...三七 人生七十力囲希咄...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...素直に其言葉に從つた方がよいと咄嗟に思ひかへして私は直に外に出た...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...何事だろう? と咄嗟に考えたが...
豊島与志雄 「悪夢」
...咄嗟(とっさ)の間にはここの枢(くるる)のかげんも知らないものだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...ツキ合イガハルカラ大迷惑――それが当然の成行きで、それから身のつまりになるのは、我も人も変ったことはない――「ソレカラ或晩、地主ノオマエサマガ忍ンデ来テ云ウニハ、孫一郎ガフシダラ故ニ、家内中ハ困ルカラ、支配向ヘ話シテ隠居サセテクレロト云ウカラ、取扱エモ咄(はな)シタラ、オマエ様ヨリ証拠ノ文ヲ取ッテ来イト云ウカラ、ソノ事ヲ咄シテ、文ヲ取ッテ、長坂三右衛門ヘ見セタラ、頭(かしら)ノ長井五右衛門ヘ始終ヲ咄シテ、支配カラ隠居シロト云ッテ出タカラ、孫一郎モ何トモ云ウコトガ出来ズニ隠居シタガ、後ノ孫一郎ハ十四ダカラ、ミンナオレガ世話ヲシテ、家督ノ時モ一緒ニ御城ヘ連レテ出タ、先孫一郎ハ隠居シテ江雪ト改メテ剃髪(ていはつ)シタ、ソレカラ家来ノコトモミダラニナッテイルカラ、家来ニ差図シテ、取締方万事口入レシテ取極メヲツケテヤッタラ、程ナク又々隠居ガ、岩瀬権右衛門トイウ男ヲ用人ニ入レテ、イロイロ悪法ヲカイテ、権右衛門ヘ給金弐拾両ニ弐拾俵五人扶持ヤッテ好キノコトヲシオルカラ、ウチジュウガ寄ッテ頼ム故ニ、頭沙汰ニシテ、権右衛門ヲ追出シテ、外ノ用人ヲ入レタ、ソノウチニ後ノ孫一郎ノオフクロガ死ヌ故、隠居ガマタマタモクロミヲシタカラ、ソノ時モ、ソノ一件ヲ片附ケテヤルシ、ソノ後、江雪ガ女郎ヲ引受ケ連レテ来タ時モ世話ヲシテ、柳島ヘ別宅ヲ拵エテヤッタ、ソレカラ一年バカリタッテ、江雪ガ大病故ニ、イロイロ世話ヲシタガ、ソノ時ニ、オレニ云ウニハ、今度ハ快気ハオボツカナイカラ、悴(せがれ)ノコトハ万端頼ムカラ、嫁ヲ取ラシテ後、御番入リスルマデハ必ズ見捨テズニ世話ヲシテクレト云ウカラ、聞届ケタト挨拶ヲシタカラ、悦ンデ翌日死ンダカラ、又々世話ヲシテ、残リ無ク後ヲ片附ケタガ、世間デ岡野ト云ウト、誰モ嫁ノ呉レテガ無イカラ、麻布市兵衛町ノ伊藤権之助ガ嫁ヲ貰ッテヤッタ、オマエ様ガ云ウニハ、何モ持ッテキテガナイカラ、何ニモイラヌト云ウカラ、権之助ヘオレガ掛合ッテ百両ノ持参デ、諸道具モ高相応ニシテ貰ッタカラ、知行所ノ百姓モキモヲツブシテ、私共二三年諸方ヘ頼ンデ奥様ノコトヲ骨ヲ折ッタガ、岡野ト聞クト皆々破談ニナリマシタガ、御蔭デ殿様初メ一同安心シテ悦ビマス、殊ニハ御持参金モアルシ有難イト云イオッタ、ソレ迄ハ千五百石デ道具ガ一ツ無クッテ、大小マデモ逢対(あいたい)ノ時ニ借リテ出ル位ダカラ、世間デ呉レナイモ尤(もっと)モダト思ッタ、ソレカラ普請ガ大破故、武州相州ノ百姓ヲ呼ビ出シテ、家作モ直シ、大勢ノ厄介ノ身上マデ拵エテヤッタ、当主ノ伯父ノ坊主デイタ仙之助ト云ウ男ニモ、地面内ヘ家作ヲシテ、妾(めかけ)マデ持タシテヤッタラ、家内ノ者ガオレヲ神様ノヨウニ云イオッタ、暮シ方モ百両故、三百三十両ノ暮シニシテ、厄介ヘモソレゾレ壱カ年アテガイヲ附ケテ稽古事デモ出来ル様ニシテ、馬迄買ワシ、千五百石ノ高位ニハ少シ過ギル位ニシテヤッタガ、何ヲイウニモ借金ガ五千両バカリアル故、コラエガ馬鹿ノ者ニハ出来ヌ」これはまた、神尾にとって少々耳――ではない、目が痛い...
中里介山 「大菩薩峠」
...一寸咄嗟の間には断わり切れなかったのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...咄嗟(とっさ)の間にも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...咄嗟の間に平次は見て取ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...咄嗟に、敏捷な悪魔はそこにあつた袋の中へ潜(もぐ)りこんだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...咄嗟(とっさ)のことでどうすることもできませんでした...
平林初之輔 「鉄の規律」
...咄嗟(とっさ)の間にいろんな事をいたします...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...先年他国へ参り夜とともに身の上咄(ばな)しを致せしが...
南方熊楠 「十二支考」
...道楽時代もあてになりゃアしねえアハハ」何たわいなき咄しの内勝手の方に...
三宅花圃 「藪の鶯」
...舌です」舌? ……咄嗟に...
山川方夫 「恐怖の正体」
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