...雌の河童は咄嗟の間に床の上へ長老を投げ倒しました...
芥川龍之介 「河童」
...わたくしは咄嗟(とっさ)に半開きの傘を斜めに左へ廻しました...
芥川龍之介 「三右衛門の罪」
...のみならず咄嗟(とっさ)に思い出したのは今朝(けさ)滔々(とうとう)と粟野さんに売文の悲劇を弁(べん)じたことである...
芥川龍之介 「十円札」
...」Sは咄嗟にふり返った...
芥川龍之介 「三つの窓」
...咄嗟(とっさ)に針を吐くあたわずして...
泉鏡花 「婦系図」
...二葉亭はいつでも夕方から来ては十二時近くまで咄(はな)した...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...どこか海底の小暗(こぐら)い軟泥(なんでい)に棲(す)んでいる棘皮(きょくひ)動物の精が不思議な身(み)の上咄(うえばなし)を訴えているという風に思われた...
海野十三 「三人の双生児」
...咄嗟(とっさ)の場合まずそんな想像が浮ぶのでした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...気配をかんじて咄嗟に体をかわして...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...咄嗟ニ予ノ心ノ変化ヲ看テ取ッタラシイ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...咄嗟(とっさ)の間(ま)にも利と不利とを判断する冷静があった...
中里介山 「大菩薩峠」
...咄嗟(とつさ)に剃刀を喉(のど)へ廻し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...咄嗟(とつさ)の間に逃げ出す隙もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……本当の年は、いくつだ」「三十四でございます」「それなら、四十に近い」「いえ、三十のほうに近い」「ふふふ、小咄だの...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...早くつまらぬ心配をした事を咄してしまいたい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...「真個に失敬な人だよ」つまらぬ心配をした事を全然(すっぱり)咄(はな)して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...咄嗟(とっさ)に九鬼が非常に莨好きだったことを思い出しながら...
堀辰雄 「聖家族」
...咄嗟に身を沈めて...
吉川英治 「江戸三国志」
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