...起きるな西日をうけて熱くなった埃(ほこり)だらけの窓の硝子(ガラス)よりもまだ味気ない生命(いのち)がある...
石川啄木 「詩」
...その無数とも言う可(べ)き仏像がどれもこれも味気ない彫刻である...
高見順 「仏像とパゴダ」
...いよいよ味気ない思いであった...
太宰治 「乞食学生」
...などと言われるのは味気ないものである...
太宰治 「メリイクリスマス」
...味気ない世の中である...
太宰治 「懶惰の歌留多」
...ちょうどそれは妻を失った間際(まぎわ)の味気ない感じを...
徳田秋声 「仮装人物」
...味気ないものであり...
中井正一 「美学入門」
...味気ない単調な日を暮しながら...
萩原朔太郎 「猫町」
...チュウインガムを噛むより味気ない世の中...
林芙美子 「新版 放浪記」
...もう納豆も鮭もなくて味気ない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何とも味気ないし...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」D「僕は尾崎士郎を個人的に知つてゐるが、彼には「河鹿」といふ名品がある、その他にもあるが、彼はあまりに慌しく様々な未完成的作品を書き飛ばし飄々として居を定めぬといふ風な生活を送つてゐるので、味気ないが、彼の永久に若々しい芸術的情熱は信頼が出来る、間もなく書斎に落着いて颯爽たる人生派文学の逸品を物するであらう、人生々活の自由なる遍歴者の姿に、流行も、古きも、新しさも、何の病ひあるものぞや、「悲劇を探す男」の作者よ、寒い風を袋一杯溜め込んで、S・S・F(サンニー・サイド・フール)――の愚劣な夢を吹き飛して呉れ...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...見るも味気ない舞台の上の仕出しのやうであつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...一見すると味気ない気もしますが...
牧野信一 「浪曼的月評」
...撫子(なでしこ)が夕映(ゆうば)えの空の美しい光を受けている庭もただ一人見ておいでになることは味気ないことでおありになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...全く味気ないものになり果てました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...味気ない安酒宴(やすざかもり)のご満悦が下らなくなるな...
吉川英治 「剣難女難」
...帰りは味気ない夜道になった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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