...世間の寡婦たちがつまらない貞操観に囚はれて味気ないさびしい空虚な日を送りながら果敢(はか)ない習俗的な道徳心にわづかになぐさめられてゐる気の毒さを――...
伊藤野枝 「貞操に就いての雑感」
...甚だ味気ないものである...
高村光太郎 「書について」
...どのやうに味気ない思ひをして来たかわからない...
太宰治 「お伽草紙」
...わびしく味気ない……...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「嫁入り支度」
...ちょうどそれは妻を失った間際(まぎわ)の味気ない感じを...
徳田秋声 「仮装人物」
...味気ない別れは厭だつたので...
林芙美子 「瀑布」
...チュウインガムを噛むより味気ない世の中...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...煙草の吸殻よりも味気ない女...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...人生は斯うしたものだから、今私共を嗤(わら)う青年達も、軈(やが)ては矢張(やっぱ)り同じ様に、後(のち)の青年達に嗤(わら)われて、残念がって穴に入る事だろうと思うと、私は何となく人間というものが、果敢(はか)ないような、味気ないような、妙な気がして、泣きたくなる……あッ、はッ、は! ……いや、しかし、私も老込んだ...
二葉亭四迷 「平凡」
...ホテルの味気ない生活がつく/″\嫌だ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...味気ない世の中だ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...見るも味気ない舞台の上の仕出しのやうであつた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...坊主にでもなった気で味気ない一生を送らねばならぬようにしか思われぬ...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...考えると味気ない...
吉川英治 「大岡越前」
...味気ないここちがした...
吉川英治 「私本太平記」
...味気ない空しさでも抱いてるような彼に見える...
吉川英治 「私本太平記」
...考えてくれい」西方寺の花見は味気ない散会をつげて昏(く)れた...
吉川英治 「私本太平記」
...酒の買い置きでもあれば少しは愉しめるんだが」味気ない炉に...
吉川英治 「新・水滸伝」
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