...さすがにこれが吾が身をおく天地かと味気ない思いが先にたった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...一万五千円の学費つかって、学問して、そうして、おぼえたものは、ふたり、同じ烈しき片思いのまま、やはりこのまま、わかれよ、という、味気ない礼儀、むざんの作法...
太宰治 「二十世紀旗手」
...味気ない生活を始めるようになった...
田中英光 「野狐」
...味気ない気持で妻がいとおしげに梳(くしけ)ずってやっていたのも...
徳田秋声 「仮装人物」
...それはなるほど無信仰であったころの味気ない人生ではなく...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...田舎の味気ない土いじりに...
萩原朔太郎 「日清戦争異聞」
...ああ味気ない人生でございます...
林芙美子 「新版 放浪記」
...味気ないものばかりだが生卵子で流し込む...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...この作家は味気ないが...
牧野信一 「会話一片」
...味気ない日をおくるばかりだ...
正岡容 「寄席」
...そういうことはどんなに味気ないでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どんなに味気ないことが多かろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...味気ないことだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...撫子(なでしこ)が夕映(ゆうば)えの空の美しい光を受けている庭もただ一人見ておいでになることは味気ないことでおありになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...全く味気ないものになり果てました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...「あやまちのない人生というやつは味気ないものです...
山本周五郎 「橋の下」
...あやまちのない人生は味気ないものだ」彼は伊鹿山のほうへ眼をあげた...
山本周五郎 「橋の下」
...味気ない安堵の佗びしさのまま笑い出した...
横光利一 「旅愁」
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