...精神も肉体もはなはだしく病に虫ばまれた葉子は抱擁によっての有頂天(うちょうてん)な歓楽を味わう資格を失ってからかなり久しかった...
有島武郎 「或る女」
...聴いて味わうだけでなく...
上村松園 「画道と女性」
...四季おり/\の物のあわれを味わうのに最も適した場所であって...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...故郷のよさをしみじみ味わうことが出来て嬉(うれ)しゅうございました...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自然が秋に与えた傑作をしみじみ味わうたのしさ...
種田山頭火 「夜長ノート」
...前者の体験する三昧(ざんまい)の境地はおそらく王侯といえども味わう機会の少ないものであって...
寺田寅彦 「小浅間」
...しかしこのヘルンのつむじ曲がりの言葉の中には味わうべき何かはある...
寺田寅彦 「人の言葉――自分の言葉」
...肉体全体で味わうのである...
中井正一 「美学入門」
...その関連(ツーザンメンハング)の情趣を味わうのである...
中井正一 「レンズとフィルム」
...如何に数多の女共によって天国の楽しみを味わうか...
中島敦 「南島譚」
...味わう事を知った心の平和を...
夏目漱石 「それから」
...情を働かす人は物の関係を味わうんだと申しました...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...一つには自分がこれらの言を充分に味わう境涯(きょうがい)に達しない...
新渡戸稲造 「自警録」
...能(よ)く料理を味わう者を料理通という...
二葉亭四迷 「平凡」
...妹も同じように大欠伸をしたっけだ」春さんはそのときの情景を噛(か)み味わうかのように...
山本周五郎 「青べか物語」
...幾らか告白の快感をさえ味わうかのように...
山本周五郎 「思い違い物語」
...あるいは陶然とした気分などを味わう場所である...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...当人が味わうはたらきをしない限り...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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